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──スナックとキャバクラって、どう違うんですか?

茅原 スナックは私服でもOKで、基本的に1人のキャストが複数人を接客し、ノルマや罰金もない場合が多いです。それに対して、キャバクラは1対1で接客します。ノルマや罰金があるケースも多く、ドレス接客でヘアメイクもきちんとしないといけません。大変ですが、手をかけた分だけいいお客様に指名していただけたりするので、モチベーションにつながります。

──ドレスはお店で貸してもらえるんですか?

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茅原 だいたいどのお店でも、新人さんや体験入店の方用には貸しドレスが置いてあると思います。でも、いつも同じドレスのキャストに、毎回高いお金を払って会いに来たいと思うお客様はなかなかいません。だから、お客様から指名をもらえるようなキャストになるためには、自己投資は必要です。ドレスも他の身だしなみもお金をかけて自分をプロデュースできる子が、売り上げを伸ばせるのではと思います。  

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売れっ子キャバ嬢は日々努力を続けている接客のプロ

──「指名」というのは、歩合みたいなものでしょうか。

茅原 詳しくは『ヒマチの嬢王』の本編でも解説しているので読んでいただければわかると思いますが、外からキャスト目当てで来店するのが「本指名」で、指名料と売上に対してのバックマージンがもらえます。指名なしのお客様に、入店後指名された場合は、「場内指名」といって、指名料のみがもらえます。お店によってはボトルのバックが入るところもあるみたいですが、どのみち本指名よりはバックは少ないです。  

 指名料のほかにも、ドリンクを奢ってもらったり、ボトルを入れてもらったりするのもキャストの売上に上乗せされますので、いかにお客様に長く滞在していただくか、ボトルを下ろしてもらうかの努力も重要です。成績をあげ続けていくには、自分を磨き続ける努力はもちろん、会話を継続させるコミュニケーションスキルや、お客様へのこまめなフォローも欠かせません。  

 売れっ子キャバ嬢は、ただきれいなドレスを着てお酒を飲んでいるだけではなく、日々こうした努力を続けている接客のプロなんです。

  

──漫画家になりたかった茅原さんにとって、あくまで通過点でしかないキャバ嬢に、ここまで「プロフェッショナル」を求められるのは、キツくなかったですか。

茅原 うーん……。「漫画家になりたい」という、絶対に譲れない目標があったので、どんなにつらいことや苦しいことがあってもマンガのタネになるから、つらいことも逆にありがたいんです。