キャバクラ経営を描いたマンガ『ヒマチの嬢王』。華やかな夜の世界を舞台にしながら、経営ノウハウや接客対応も学べることから、「こんなキャバクラマンガ初めて!!」「この女主人公、上司に欲しい!!」と、働く男女を中心に高い人気を集めています。

「キャバ嬢」×「経営」というテーマはどうやって生まれたのでしょうか。作者の茅原クレセさんに、作品の思いとキャバ嬢への愛について聞きました。(全2回の1回目。後編を読む)

「夜の街の少し怪しい雰囲気が好き」と話す茅原クレセさん

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自身の経験も活かし「経営者」目線で働いているキャバ嬢に着目

──『ヒマチの嬢王』にはキャバ嬢がたくさん登場しますが、テーマはあくまで「経営」です。キャバ嬢を描いたマンガやドラマはこれまでにもありますが、なぜキャバクラを舞台にした経営マンガを描こうと思われたのですか?  

茅原クレセさん(以下、茅原) デビューが決まって担当さんと作品の打ち合わせをしていた時に、方向性の違う案を何種類か出したら、キャバクラをテーマにした案が面白いと言われたんです。

 キャバクラで働くキャバ嬢って、自営業者の集まりなんですよ。お店は場所を貸しているだけなので、借りた場所で「自分」というお店を開いているようなイメージです。なので「経営者」目線で働いているキャバ嬢の話は面白いのではないかと思いました。実際に私がキャバクラで働いていたので、体験をベースに現場のリアル感がマンガでも出せそうだなと思いました。

──キャバクラで働いていたというのは、いずれキャバクラマンガを描く予定だったからですか?  

茅原 いえいえ。単純に、キャバクラで働くのが好きだったんです。かわいいドレスを着て、ヘアメイクしてもらえて、いろいろな人とお酒を飲みながらお話をする仕事は他にないので。

 あとは、夜の街の少し怪しい雰囲気が好きなんですよね。まだ地元の鳥取にいたときに、友人に誘われてヒマチ(米子市朝日町)のスナックで働いていた経験もあるので、きっとキャバクラでも働けるだろうと思って、ネットで働けそうなお店を探しました。