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「代理ミュンヒハウゼン症候群」とは何か…?

 そんな綾乃容疑者は、大和市役所に当初から「代理ミュンヒハウゼン症候群」の可能性があるとしてマークされていた。

「代理ミュンヒハウゼン症候群」は、周囲の関心を引くために病気を装う「ミュンヒハウゼン症候群」の別形態で、自分ではなく他人の病気を装い関心を引こうとする精神疾患だ。ミュンヒハウゼンはウソの冒険談を語り歩き、「ほら吹き男爵」と呼ばれた18世紀のドイツの軍人の名前で、病名の由来とされる。

事件の現場となったアパート ©文藝春秋 撮影:上田康太郎

 日本小児科学会の資料によると、「代理ミュンヒハウゼン症候群は、子どもに病気を作り、面倒をみることにより自らの心の安定をはかる、虐待の特殊型で母親に多く見られる」ケースだという。

 医師に虚偽の病状を申告したり、自らの血液を子供の血液と混ぜることで誤診断を誘導するケースから、実際に子供に危害を加えるケースまであり、綾乃容疑者が雄大くんを窒息死させていた場合、その症例の最も危険な部類になる。

 同資料には「加害者は自分が満足できる結果がでて、処置をしてもらえるまで『その』状態を続けるため、必要のない検査が延々と続くことになります。加害者が医療者の注意を十分に引きつけることができないと、子どもの症状がどんどん重篤になり、致死的な手段もいとわなくなることがあるので、十分注意が必要です」と解説されている。

※画像はイメージです。©iStock.com

代理ミュンヒハウゼン症候群をめぐる様々な事件

 代理ミュンヒハウゼン症候群をめぐっては、全国各地でさまざまな事件が発生している。

 大阪府警は2020年9月、生後間もない長男に何者かの血液を飲ませて嘔吐させたとして、当時23歳の母親を傷害容疑で逮捕。長男は命に別条はなかったが、約2か月間で20回以上血を吐いていた。

 2017年にも大阪府警は、当時1歳の長女に必要がないのにインスリンを投与して意識障害などを生じさせたとして、21歳の母親を傷害容疑で逮捕している。

 4人もの子供を失った綾乃容疑者は今何を考えているのか。神奈川県警の捜査の進展が注目される。

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