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  選手の低年齢を利用する大人たち。しかしこれは国家だけでなく現在の五輪そのものではないか? そう考えさせられた記事はこちら。

『北京五輪閉幕 IOC 理念に背、選手軽視』(毎日新聞2月21日)

日本はまたしてもIOCの「いいお客さん」に…?

 IOCは収入の7割を高額な放映権料に依存しているが、テレビ視聴者数は減っている。そこで若者をつなぎ留めるためにIOCはテレビ映えするハーフパイプやビッグエアを採用した。

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《高難度の技は体重の軽い10代半ばの方が有利で、選手の低年齢化が進んでいる。》

 技が高度化し、選手たちはけがのリスクと隣り合わせになっている。「10代の若者ら選手をサポートする態勢は十分だったと言えるだろうか」と記事は問う。

 それは他の競技も同じだろう。失格した高梨沙羅は気の毒なほど自分を追い込んでいた。ワリエワも疑念を一身に浴び、結果的に見世物になった。10代の選手に目を付けたことでIOCは大成功だったのだろうが、いつまでこんな選手軽視でカネ優先の興行を続けるつもりなのか。

 札幌市は30年冬季五輪の招致を目指しているという。ニッポンはまたしてもいいお客さんだなぁ。IOCという「元締」はそう思っているに違いない。