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紀子さまにとっての“ふさわしい為さりよう”

 私は以前から、特に紀子さまが皇嗣家としての格を重んじられ、皇嗣妃としてのふさわしい為さりようを心がけられているように拝察していた。実際に「ふさわしい」というお言葉を大切にされてもいるようだ。目に見える形でも、2020年11月にご一家が“リンクコーデ”を披露された秋篠宮さまの誕生日のご近影や、2019年8月、悠仁さまにとって初めての海外訪問となったブータンで、秋篠宮さまと悠仁さまがお召しになったお揃いのチェックシャツ姿などに、そうしたお心構えが現れているように思う。

2020年、秋篠宮さまのお誕生日に際してのご近影 宮内庁提供

 皇室取材を通じて、お子様方はご両親の背中を見て成長されると如実に感じられることがある。筑波大学附属高校へのご進学は悠仁さまのご希望を踏まえたものだというが、将来のお立場や、悠仁さまのご関心に基づいたご研究につながる礎としてふさわしいご進学先だという秋篠宮ご夫妻のお考えに沿う形になった面もあるだろう。

2019年、悠仁さまのお誕生日に際して公開されたご近影(ブータン国・プナカの水田付近にて) 宮内庁提供

佳作に選ばれた悠仁さまの作文問題

 天皇陛下は、2月23日に62歳の誕生日を迎えられ、それに先立つ記者会見で、眞子さんの結婚について、「結婚について様々な意見があるなど、結婚に至るまでの状況を踏まえ、納采の儀などは秋篠宮家の判断で、また、朝見の儀などについては、私の判断で執り行わないこととなりました。今後、幸せな人生を歩んでいってほしいと思いますが、同時に、この間、多くの方に心配をお掛けすることになったことを心苦しく思っています」と述べられた。

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 陛下の誕生日当日、皇居へ向かわれる紀子さまのお姿を拝見すると、つらそうな表情で、少しやつれたように感じられた。

1月1日、仙洞仮御所へ向かわれる悠仁さま ©︎共同通信社

「姉弟関係」が逆転した皇嗣家として、前例のない困難さを抱えられることになった秋篠宮ご一家。悠仁さまが書かれ、「第12回子どもノンフィクション文学賞」の中学生の部で第2位の佳作に選ばれた作文「小笠原諸島を訪ねて」について、その一部が他の出版物の内容と酷似していたことも波紋を呼んでいる。眞子さんの結婚に次ぐ悠仁さまのご進学によって、秋篠宮家に対する国民からの注目と、意見がさまざまにわかれる状況はこれからも続くのではないだろうか。

秋篠宮家と小室家 (文春新書 1350)

文藝春秋編

文藝春秋

2022年2月18日 発売