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仲間たちに遺書を託す

 死期を悟った山本は、ノートに4通の遺書を記し、日本の家族に届けるようにと仲間たちに遺言し、息を引き取ります。1954年8月、享年45でした。

 

 ラーゲリ(収容所)では、文字を書き残すことはスパイ行為として厳禁されていました。仲間たちは分担して山本の遺書を暗記し、復誦します。それは彼らが帰国を許される1956年12月まで、2年にわたって続けられたのでした──。

 

 ついに帰国の日。帰国船の中でも、仲間たちは山本の遺書をノートに書き留め、繰り返し暗誦しました──。

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 続きは、文春オンライン連載の「ラーゲリ〈収容所から来た遺書〉」でお楽しみください。連載をまとめた単行本は、7月上旬に刊行予定です。

収容所(ラーゲリ)から来た遺書 (文春文庫)

じゅん, 辺見

文藝春秋

1992年6月10日 発売