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金メダリストがそこまでやるかと言われましたけど
――これまでの人生を全否定された感じでしたか。
清水 いや、そうでもなかったんですよ。もちろん落ち込みましたけど、縁もゆかりもない場所でたった2週間しか活動していなかったのに、4万4000票が入った。当選者の半分ぐらい。この票の重みがズシンときました。
僕は選挙で「札幌を健康都市にする」というマニフェストを掲げたんです。選挙で身も心もボロボロになってしまったけど、僕に投票してくれた4万4000人のためにも「健康都市」の約束は果たさなきゃいけないと思ったし、それは何も政治家じゃなくてもできると考え直しました。
その時に、大学院で考えた運動機能を高めるリハビリ施設を作り、アスリートの雇用を本気で考えようと思いました。
最初に作ったのが整骨院。身の丈に合ったところから始めようと、700~800万円ぐらいあった貯金をすべて注ぎ込みました。まずは告知と、札幌の住宅街を一軒一軒、チラシをポストに入れて歩きました。知人らからは、金メダリストがそこまでやるかと言われましたけど、札幌のことを知るには一軒一軒歩いてみるのが手っ取り早いと思った。生の情報が収集できて地域性も分かるし、マーケティングにも役立ちますからね。
だから利用者に住所などを書いてもらうと、あそこのマンションだな、なんてすぐに分かるようになりました。