昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

一番使いやすいのは? プロ野球各球団の「不織布マスク」で職場に行った9日間の話

文春野球コラム ウィンターリーグ2022

2022/02/27

 新型コロナウイルスの感染拡大が我々の生活を一変させてから、2年が経過しようとしている。この間、大きく変化したことの一つに「プロ野球各球団のグッズに、マスクが増えた」ことが挙げられる。後にも先にも、これほどマスクが販売される時代はないのではないか。こうした考現学的な観点から、私は各球団のマスクを買い集めてきた。

©オギリマサホ

 当初発売されたのは、いわゆる「マウスカバー」と呼ばれる布製のマスクがほとんどであった。ところが昨年夏の「第5波」以降、「不織布マスクの方が効果が高い」と報じられるようになったためか、各球団から相次いで不織布マスクが発売され始めた。

 かくなる上は、各球団の不織布マスクも集めてみようではないか。そして、どの球団の不織布マスクが一番使いやすいか実証してみよう。そう思い立った私は昨年12月、9球団の不織布マスクを入手した(その時点では、ヤクルト、西武、楽天の不織布マスクを発見できなかった。今月、ヤクルトから不織布マスクが新しく発売されたので、いずれ試してみたい)。

各球団の不織布マスクについて調査してみた

 ところで「球団の不織布マスク」に必要なものとは何か。もちろんマスクとしての性能や息のしやすさ、肌触りなども重要である。しかし、わざわざ球団グッズとして買うからには「球団グッズであることがわかってもらえること」も大切だろう。そこで1日1球団で計9日間、球団マスクをして職場に行き、「着用感」と「何人に気付かれるか」を調査してみた。ちなみに私の職場は学校、毎日100人を超える若い人を前に声を出す仕事である。

【今回の調査にあたって】

・なるべく枚数が多い方を選ぶ(お得だから)。
・なるべく球団公式のものを購入し、ない場合は球団公認グッズを選ぶ。
・複数のデザインがある場合、なるべく地味なものを選ぶ(仕事柄)。
・人と話す時には、さりげなくロゴの入っている方を相手に向けて話す(気付いてもらいたくて)。

【1日目(1月11日)】ドラゴンズ公認マスク(30枚入り2250円・1枚あたり75円)

©オギリマサホ

 マスク右上部に「Dragons」のロゴと、ドアラの顔がエンボス加工で入っている。個包装にドアラのシルエットが入っているのも良い。きっと職場で「ドアラですね!」「かわいい!」と評判になるだろう、と期待に胸躍らせながら出勤した。 

©オギリマサホ

 ところが、である。昼になっても、退勤する時刻になっても、誰一人としてマスクに何も言ってくれない。ここで私は「ひとは、他人のマスクなど大して気にしていない」という事実を思い知らされた。

 この日は、夜に友人と会う予定であった。待ち合わせ場所で顔を合わせるなり、友人は「あっ、ドアラ!」と言った。持つべきものは友である。

©オギリマサホ

 やわらかさ ★★★
 息のしやすさ ★★★
 話しやすさ ★★★
 化粧落ちしなさ ★★★★
 何人に認識されたか 1人

【2日目(1月12日)】ファイターズマスク(50枚入り1980円・1枚あたり約40円)

©オギリマサホ

 マスク左下部に「FIGHTERS」というロゴが入っている。着けてみると、口まわりがゆったりして余裕がある。仕事柄、人前で話さなければならない時間が多く、顎がガッチリとホールドされていると苦しくなってくるのだ。値段も手頃であり、一番普段使いしやすいマスクであった。ファイターズグッズであることは、誰にも気づかれなかった。

©オギリマサホ

 やわらかさ ★★★★
 息のしやすさ ★★★★
 話しやすさ ★★★★
 化粧落ちしなさ ★★★
 何人に認識されたか 0人

【3日目(1月13日)】バファローズマスク(50枚入り2000円・1枚あたり40円)

©オギリマサホ

 こちらも左下部に「Buffaloes」のシンプルなロゴ入り。使用感もファイターズとほぼ同じである。となると、やはり誰にも気づいてもらえない。この前日、一日あたりの東京都の新規感染者数は2000人台を超え、学校現場もオンライン授業への移行の話が囁かれ始めた。もはや各球団マスクの実験などやっている場合ではないのかも知れない。それでもできる限りは続けようと思う。

©オギリマサホ

 やわらかさ ★★★★
 息のしやすさ ★★★★
 話しやすさ ★★★★
 化粧落ちしなさ ★★★
 何人に認識されたか 0人

【4日目(1月14日)】タイガースマスク(5枚入り275円・1枚あたり55円)

©オギリマサホ

 今日こそは、と気合いを入れてタイガースマスクを着用する。このマスクは「Tigers」のロゴが上部に入っているので、誰かに気付いてもらえるだろう。

©オギリマサホ

 ちなみにタイガースの不織布マスクは、黄やピンクなどの派手なものも通販サイトで販売されているのだが、調査時のルールに基づき、公式サイトで販売されている無地のものを選んだ(私が購入した際は在庫切れであったが、50枚入りの箱もある)。

 しかし、学校現場はより一層忙しさを増し、私自身ですらタイガースのマスクをしていることを忘れていた。ちなみに使用感は少し固めであった。

 やわらかさ ★★
 息のしやすさ ★★★
 話しやすさ ★★
 化粧落ちしなさ ★★
 何人に認識されたか 0人