これは筆者の検査してみた感想だが、だいたいが3~7つのグループに分けられ、発症しづらいグループ、標準的なグループ、発症しやすいグループという検査結果が出てくるようだ。
ここで注意が必要なのは、DNA検査の会社はもともとヨーロッパやアメリカの会社が多く、DNAパターン比較の際にヨーロッパ人もしくはアメリカ人のパターンと照合する場合が多い、ということだ。発病確率は人種によって左右されるものも多いので、精度を気にするなら、日本人であればアジアや日本人の臨床結果と比較する検査会社を選ぶといいだろう。
実際、どれくらい当たるのか?
さて、DNA検査に関して一番知りたいのは「的中率」だろう。……しかし、ここまで読んでいただければお察しの通りだ。DNA検査の結果は「発症するかしないか」というものではないので、的中率は出せないというのが正直なところ。
それでも参考までに、筆者の実体験をもとに比較をしてみた。というのも、筆者は10年前から高血圧を発症し、5年前に大動脈が裂ける大動脈解離で救急搬送された経験があるのだ。各社の分析結果に「大動脈解離」という疾病はなかったが、症状が一番近い「大動脈瘤」(大動脈の一部が膨らむ病気。「解離」の場合はそこから全体的に裂けていく)を参考にした。
各社のDNAから見た分析結果では、以下の通りになった。
A社→高血圧:高い、大動脈瘤:標準
B社→高血圧:高い、大動脈瘤:標準
C社→高血圧:少し高い、大動脈瘤:少し高い
D社→高血圧:高い、大動脈瘤:低い
「高血圧」に関しては、C社は少し控えめだが、各社いずれも「なりやすい」という結果になっている。一方の「大動脈瘤」は、A、B社は標準的で、C社は少し高めという診断。D社は反対に低いとしている。
実際に筆者は発症しているので、「少し高い」と判断したC社だけが正解……としたいところだが、A、B社も標準的な発症率としているだけで、発症しないとは言っていない。それはD社でも同じだ。
それじゃあDNA検査なんて役に立たない――。そう思う人もいるかもしれない。しかし、これらは医学的な科学論文・学術論文に基づいた分析結果なので、役に立たないと切り捨てるには早すぎる。
各社で結果が違うのは、分析に利用した論文やデータが違うからだ。例えば「大動脈瘤」に関して各社が明示している参考資料は、それぞれ異なっており、それが結果のバラツキを生んでいた。