昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2022/03/04

genre : ニュース, 国際

「女性のみなさん、『戦略的投票』をしなければなりません。現在1番(李在明)、2番(尹錫悦)薄氷の闘いなので第3の候補へ投票すれば取り返しがつかないことになります。キャンドルデモでもとりかえしがつかない。(これからの)5年間、1960~70年代に後退します。女性家族部廃止はだめです(尹候補の公約のひとつが女性家族部廃止。そのため戦略的に1番に投票しましょうという趣旨)」

 50代の会社員(男性)はこう言う。

「今の政権には不満ばかりですが、『国民の力』が政権をとれば右傾化してしまうでしょう。尹候補が大統領になるのは見たくない。尹候補を当選させないために戦略的に李在明に投じようかと思っています」

李候補の街頭演説の様子(著者提供)

 乗り合わせた60代のタクシー運転手の男性は話題の言葉をこう使った。

「政権交代はしないといけない。今の政権は不動産にしても、『ネロナムブル』(自身の婚外恋愛はロマンスでも、他人の婚外恋愛は不倫という意味。他人の行為を非難しておきながら、自分が同じ行為をしたときには自己正当化することを指す)が酷すぎた。

 妻は美容院を経営していますが、文政権になってからスタッフの最低賃金は上がるわ、労働時間も短縮された。それ自体はいいことでも、あまりにも急激に変えられて、それも労働者側の政策ばかりだとこぼしていました。

 今までずっと進歩派支持でしたが、反省してもらわないといけないと考え、今回は『戦略的』に『共に民主党』には投票しないと言っています。ただ、尹錫悦が大統領になっても国会は与党が圧倒的過半数だから、なかなか政策は通らないだろうし、どっちになってもこれからの5年間、韓国はまた大変ですよ」

李候補の街頭演説の様子(著者提供)

世界的に炎上した李候補の発言

 3月1日、李在明候補は観光地として知られる「明洞」で、尹錫悦候補は大学の街「新村」で遊説を行った。李候補は「政治交代」を、尹候補は「政権交代」を訴えた。尹候補の遊説にはウクライナの国旗を掲げた人もおり、「ロシアのウクライナ侵攻の発端はウクライナにあるとする李在明の発言は許されない」と話していた。どういうことか。ことは2月末に行われたテレビ討論会にさかのぼる。

 ロシアのウクライナへの侵攻について李候補は「6カ月の初心者政治家がNATO(北大西洋条約機構)が加入させないとしているのに加入を公言してロシアを刺激したせいで結局、(ロシアと)衝突した」と発言し、世界的に炎上したのだ。政界に入門して半年あまりの尹候補を牽制した発言だったが、物議を醸すとすぐに自身のフェイスブックで「表現力不足」と謝罪した。

z