2月28日午後9時、池袋駅北口。記者の目の前で、雑踏のなかを並んで歩いていた初老の男2人が突然、路地に入った途端に慌てて走りだした。後ろを歩いていた外国人の男2人もそれを追って全力疾走。やがて4人は、とあるビルの敷地内へと消えていった。

 この様子を見て、ある池袋繁華街の関係者がこう語った。

「あのビルが、摘発されたキャバクラ『Prince Collection』が入っていたビルです。追いかけられた初老の2人は池袋で悪名高い店を運営していた、いわゆる『Kグループ』の残党で顔見知り。たまに見る光景です。店が摘発され稼げなくなったので、“飛ばし”をやり、見つかったのでしょう。つまり、路上で客をつかまえてホテルに誘導した後、女を派遣しないまま、金を持ち逃げしたということです。初老の男らを追っていた外国人はその客でしょうね」

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「Kグループ」は池袋を中心に、“ぼったくり店”を複数店舗経営していた。話に出てきた違法キャバクラ「Price Collection」もそのうちのひとつだ。

警視庁のぼったくり撲滅にかける本気度

 警視庁は26日、このキャバクラの従業員、小高文裕容疑者(47)ら3人を、ぼったくり防止条例違反の疑いで逮捕した。小高容疑者は昨年12月、客引きから紹介された客を店に引き入れた疑いがもたれている。

逮捕された小高文裕容疑者(NNNニュースより)

 実はいま、池袋で“ぼったくり撲滅作戦”が行われているのだ。全国紙社会部記者が話す。

「コロナ禍で客が減った結果、稼ぐために強引な客引きが目立つようになりました。昨年2月には『AV女優とやれる』と誘い、高額な料金を奪い取るグループが摘発され、防犯カメラが大量に設置されるなど、締めつけが厳しくなっています。

 また、『Prince Collection』の従業員が逮捕された翌27日にも、泥酔客に『店のモノを壊した』と因縁をつけて車で4時間半連れまわし、現金約400万円を銀行で引き出させ奪ったとして、別系列のラウンジ店の従業員・佐藤徹也容疑者(50)らが逮捕された。かかっている容疑は強盗・監禁です。

 ただ、逮捕された容疑者のうち1人は実態としてほとんど“引退”していたようです。それでもわざわざ逮捕に踏み切ったことから、警視庁のぼったくり撲滅にかける本気度が見てとれます」