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武器がなければ農具を使ってでも戦おうとしている

――父親や親戚、セーニャさんの友達が戦争に参加し、ロシアと戦うと言っていることについてどう思いますか?

「もちろん行かないでほしい。ただ、祖国では女性も戦っています。有名な若い女性のバレエダンサーが武器をとりました。スポーツ選手も戦っている。私がコスプレを通じて出会った男友達や女友達も武器をとりました。女友達はジブリが好きで日本に来ることを夢みていました。『いつか日本にきたい。日本語を覚えて、留学して日本で仕事をしたい』と言っていた彼女が最後にあげたインスタには火炎瓶がうつされ、ウクライナ軍への支援をよびかけていました。

『進撃の巨人』のキャラクターのコスプレをするセーニャさん
セーニャさん ©文藝春秋

 キエフにある『ウクライナ日本センター』で出会った、箱根の旅館で働いたことのある友人は、箱根で出会った職場仲間の写真をSNSにアップしていました。彼も『これから火炎瓶で戦う』と言っていました。みんな無事でいてほしいです。彼らは武器がなければ農具を使ってでも戦おうとしている。そんなみんなに『やめろ』とはいえません。

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今起こっていることは、ウクライナだけでなく世界の問題

 私も一緒に戦いたい。一緒に戦えないならせめて戦争が終わり、復興のために人手が必要になった時は必ず行こうと思っています。一日でも早く戦争が終わること、ロシア軍がウクライナから撤退することを願っています。

セーニャさん ©文藝春秋

 今、むこうで流行っているのは『ロシアが戦争に負けたら、二度とウクライナで戦争はおきない』『ウクライナが負けたらウクライナは消滅する』という言葉だそうです。ウクライナはどうしても遠いので、日本だと『対岸の火事』に見えるかもしれません。しかし、日本からの支援にはとても感謝しています。

 いま私の祖国で起こっていることはウクライナだけでなく世界の問題です。ロシアと距離が近い日本にも、いつか訪れる可能性がある問題だと私は思っています」

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