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 しかし、家の周りからは毎日銃声や爆発音が鳴り響き、私の家族はそのたびにシェルターに隠れていたといいます。途中、何度かネットの不調で連絡がとれなくなることがあり、とても心配しました」

食料が買えない日が続いている

――現地では真偽不明の情報が駆け巡ることも多く、皆さん精神的に追い詰められていると伺いました。

「26日に外出禁止令が出た後、おそらくロシア兵だと思われる不審者が、大きなみたこともないマークを、道路や家の屋根など市内のいたる場所に書き込んでいたそうです。マークの意味は誰も分からないのですが、夜になるとそのマークが光っていたため、『飛行機からミサイルを落とすための目印なんじゃないか』『ガス管の位置ではないか?』と皆、不安がっていました。また、何の意味もないけど、そのマークを見た人がウクライナのディフェンスサービスに電話をしていたので、『ディフェンスサービスの人たちの仕事をパンクさせる作戦だ』という噂も駆け巡ったそうです」

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セーニャさん(左)と母親(真ん中)と姉(右)

――スーパーの棚から食料が消えたとも報道されています。

「24日より前に政府から食料を買い溜めしておくように催促があり、私の実家にもある程度の備蓄はあったようです。しかし、それも戦争が始まると徐々に少なくなり、外出禁止令があけた28日朝の8時にはスーパーに行列ができ、食料が買えない日が続いているそうです。

セーニャさん ©文藝春秋

「ロシア兵に捕まり、人質にされる可能性もある」

 でも、ボランティアのかたが頑張ってくださって。例えば、田舎の方で畑を耕している方が車で食料をキエフに運んでくれているそうです。政府公認の『テレグラム』(SNS)を通じ、指定された場所にみんながその食糧をピックアップしにいっています。ただ、情報元が政府でない場合、それこそロシア軍からのフェイクニュースである可能性もありますよね。『ロシア兵に捕まり人質にされる可能性もあるから慎重に行動するように』と政府がよびかけているそうです。

 また、お酒も販売禁止になったと聞いています、あるビール会社はビールではなく火炎瓶を作ることになりました。キエフのとある酒屋ではお酒みたいに火炎瓶が商品棚に置かれ、市民が自分の身を守るために手にとることができるようになっているそうです」