「確かにアナウンス技術は貴重なものですが、アナウンサーが年齢を重ねても活躍できる場をテレビ局は作れずにいます。一線から外れて不遇をかこつ元スターアナがたくさんいるんですよ。
例えば2016年に総務局に異動していた境鶴丸氏(57)。女子アナ全盛期にフジテレビで華々しく活躍しましたが、50歳をすぎて『他の部署で新しいことを学びたい』と自ら異動を申し出ました。でも、異動先で与えられたのは内部監査の仕事。要するに閑職です。本人には知名度がありますから、退職して次のステージへ行きたいのでしょう」(テレビ誌記者)
妊娠・出産でキャリアが分断 元花形女子アナも…
境氏と同じ平成元年入社の元アナウンサー田代尚子氏(55)もフジテレビに見切りを付ける。若くして報道キャスターに抜てきされ、パリ支局、ニューヨーク支局に勤務したが、14年に国際開発局に異動した。
「海外に向けてフジテレビで制作した番組や、リメーク権を売る部署です。重要な部署ですが元アナウンサーでなくてもいい。2001年に結婚して2003年に出産。それ以降はストレートニュースを担当していました。結婚して育児をしながら仕事をする女性としての難しさを感じさせましたね」(スポーツ紙芸能デスク)
平成元年入社のアナウンサーは、ほかにも大物2人が退職する。
「1人目はアイドルアナとして活躍した後、結婚・出産を経てアナウンス部長、アナウンス室長を務めた佐藤里佳氏(55)です。昨年7月にCSR・SDGs室へ異動になった。アナウンス部長時代は、女子アナの採用について『現場がいいと思っても、上の方で変わってしまう』と苦言を呈すなど注目を浴びました。しかしこれまでの経験を生かせない部署に異動したことで、フジテレビに見切りを付けたようです。キャリアのある方ですから、フジを辞めても需要はあるでしょうからね」(写真誌編集者)
もう1人の大物が、佐藤氏の後任アナウンス部長を務めていた野島卓氏(55)だ。
「フジテレビでは地味な存在で、代表する出演番組はほとんどなく、1990年代半ばに始まった『THEわれめDEポン』の麻雀実況くらいでしょうか。しかし手堅いアナウンス力には定評があります」
ただ、野島氏は女性に手が早いことで知られている。それで社内の評価を落としたこともあった。