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「美姫から突然『フィギュアスケートを辞めたい』って電話が…」中野友加里(36)が明かす、黄金期を築いたライバルたちとの“舞台裏”

中野友加里さんインタビュー #2

2022/03/27
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――ちなみに、ソチオリンピックではフィギュアスケートを担当できたんですか?

中野 現地に行くディレクターはそれぞれの競技担当があったんですが、私は女子のアイスホッケーを担当しました。でもフィギュアスケートの中継のときも、カンペを出したりしてましたよ(笑)。

フィギュアスケート選手への取材で感じたこと

――フジテレビには、9年間在籍されました。社会人生活を経験して、ご自身の中で変化はありましたか?

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中野 たくさんあるんですけど……1つは会社に入って、たくさんの同僚や先輩、上司の方と出会えたことです。テレビの仕事が楽しかったですし、毎日会社でみんなと喋るだけでもすごく充実していました。

 

 もう1つは、フィギュアスケート以外の競技に興味が湧いたことかもしれません。ほかの競技を取材するとき、ゼロからルールを学んでその競技に向き合ってみると、「こんなにもスポーツって楽しく観られるんだな」というのがわかりましたね。そして同じことを、フィギュアスケートでも感じるようになりました。

――フィギュアスケートでも?

中野 はい。実はテレビの仕事でフィギュアスケート選手を取材したときに、「自分自身がルールを把握しきれていないな」と恥ずかしく感じる場面があって。

 現役時代はルールを身体に覚え込ませていたので、言葉で説明しろと言われると、わりと難しいんです。それに、ルールは毎年改正されて、自分の知っているルールがどんどん古くなってしまう。

 だから、「これは“ルールの最前線”を勉強して、自分の知識を上書きしなくては」と思って審判員の勉強を始めたんです。

――ルールを把握するために。

中野 ルールの把握はあくまで“きっかけ”です。いまは、私が出ていた全日本選手権に審判という形で戻ることが目標です。

 

――中野さんが全日本選手権で審判をする。ファンにとってはたまらないでしょうね。

中野 でもまだ、東・西日本選手権のジャッジができるA級審判員の資格を2021年に取得したばかりなので。全日本選手権のジャッジをするためには審判員としての経験値を上げて昇格試験に合格しなきゃいけないんです。40歳までに合格できるよう、いまはルールを勉強し直しています。