長台詞をリハーサルから完璧にこなし…
制作統括の堀之内氏が言う。
「オーディションが初対面で、どんなお芝居をする方かは知らなかったんです。ご本人は『僕は昭和が似合うとよく言われるんです。逆に今の時代のほうが大変で(笑)』とおっしゃっていましたが、学生服のマントと帽子、長い脚という佇まいは本当にカッコよかった。特に第9話、橘家の皆さんに自分の思いを伝えるシーンは、長台詞を一人で語るのですが、リハーサルから完璧だった。あれほど素晴らしいお芝居をされるなんて驚きました」
橘家の父・金太役の甲本雅裕(56)が、その第9話の演技をこう評する。
「そこが、彼との初共演だったんです。父として『結婚を許すわけにいかん!』と臨んだのですが、稔君と相対した時、思わず『許しちゃおうかな』と(笑)。それほど純粋な気持ちが伝わってくる青年を演じておられて、感心しました」
現役アイドルならではの苦労も
この場面に同席していた橘家の祖父・杵太郎役の大和田伸也も口を揃える。
「顔合わせの時は、髪も長めで今風の青年だと思っていたのですが、髪の短い彼にあのシーンで初めて会って、私も思わずときめきました。『いい青年が来た!』と。あれなら安子が惚れたのも、その後も思い続けるのも納得です」
一方で、現役アイドルならではの苦労もあった。岡山ことば指導を担当していた高野暢子氏が明かす。
「東京でライブやバラエティの仕事をして戻ってくると、せっかく覚えた岡山弁のイントネーションが抜けてしまうんです。そんな彼に、萌音ちゃんは『東京にかぶれて戻ってきて!』と冗談を言っていました(笑)」
アイドルとして、そして役者として、松村の活躍はTO BE CONTINUED。