罪なき民間人が犠牲に 子ども避難の劇場が”無惨”な姿に
ウクライナ南部・マリウポリの病院では、続々と市民が運び込まれていた。
ロシアによるウクライナ侵攻から、3月17日で3週間。激しさを増す攻撃で、犠牲となったのは、罪なき民間人だった。
こちらの病院では、生まれてきたばかりの赤ちゃんも命の危険にさらされていた。
ロシアによるウクライナ侵攻で、犠牲になる市民が増え続けている。
ロシア軍に爆撃されたマリウポリの劇場内部の様子とされる映像。赤ん坊の声、子どもや女性の姿もある。地元市議会によると、この劇場には数百人の市民が避難していた。
3月14日に撮影された劇場の衛星写真では、劇場正面と公園側のスペースに「子どもたち」と書かれていた。多くの子どもが身を寄せる劇場が空爆されたのだ。
美しく荘厳な雰囲気だった劇場は、空爆後、無惨にもガレキの山に変わり果てていた。
マリウポリのボイチェンコ市長は「きょう起きたことは虐殺としか形容しようがない」と非難。一方、ロシア国防省は「攻撃はウクライナによるもの」と主張している。
民間人の死者691人 子ども108人が犠牲か
他にも、ウクライナ警察当局は、北部のチェルニヒウで、パンを買うために並んでいた住民が銃撃され、13人が死亡したと発表した。
ウクライナ検察当局によると、ロシアの侵攻により108人の子どもが死亡。また国連人権高等弁務官事務所は、少なくとも691人の民間人が死亡したとしている。
停戦交渉に動き カギは「中立化」か
鍵を握る停戦交渉をめぐり、新たな動きが出ている。ロシアのペスコフ大統領報道官は、スウェーデンやオーストリアをモデルとするウクライナの中立化が協議の対象になっていることを明かした。
ロシア・ペスコフ大統領報道官:
そういう方法も検討中です。妥協案となる可能性があります
スウェーデンとオーストリアは、NATOなどの軍事同盟に加盟せず、中立を保つ立場。一方で、ともに軍隊は保持している。