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【キエフ市長インタビュー】私はプーチンの嘘を許さない ウクライナ人は「平和の民」だ

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キエフには200万人ほどが留まっている

――市長として日々どのような職務を行っているのですか?

 我々の国のインフラは壊滅的な被害を受けています。橋が壊され、コミュニケーション手段、物流にも大きなダメージが出ています。市長としての役割は、公共サービスを市民に提供することです。戦争前、キエフには360万人の人が暮らしていました。大部分の子供や女性は避難していますが、それでも現在200万人ほどが残っていると思われます。彼らの生活を守るためのサービスを提供しなくてはなりません。現在とても寒くて雪も降っていますが、幸いなことに電気は通っています。水道サービスの確保も私が担当すべきものです。それに加えて、民間防衛を通じての軍への支援も行う必要があります。

――あなたの弟である元プロボクサーのウラジミール・クリチコ氏や現役のプロボクサーであるワシル・ロマチェンコ選手は前線で戦っていると聞いています。

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 すべての人は自分の人生の計画を持っています。本来なら今頃は休暇やお祝い事を計画していたかもしれません。しかし、それらの計画は全て破壊され、生活は一変しました。私はいま全てのウクライナ人に感謝していますが、男性に対しては特に感謝したいです。ウクライナ男性の使命は国土を守ること、家族を守ること、そして子供たちを守ることです。ロマチェンコのようなスポーツ選手は今、市民生活や競技を忘れて国を守る覚悟ができているのです。彼らには最大限の敬意を払います。

――キエフは日々要塞化していると聞きます。街の様子を教えてください。

 ロシア最大の標的になっているこの都市を守る準備はできています。すべての道、建物において戦い、防衛する備えはできています。この街は毎日爆弾による攻撃を受けています。アパートや住宅にはロケット弾が撃ち込まれています。インタビューを受ける数分前にも近くで爆発があって、私はこの後現場に向かいサポートしなくてはなりません。現場に行くのはとても重要なことです。

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