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「日本人のためにも戦っている」

――改めてロシアやロシア人に対する思いを聞かせてください。

 ロシア人を恨む感情はありません。ロシアの攻撃的な政治と政府が批判の対象なのです。政治と政府がロシアを間違った道へと導いているのです。ロシアは平和な国家でなくてはなりません。ですが、周辺諸国であるジョージアやアブハジア共和国などにロシアの手垢が付けられていきました。国際社会への好戦的な姿勢には反感を抱きます。

 それともう一つ。我々は世界第3位の核保有国でしたが、1994年にすべてを放棄しました。ロシアがウクライナを守ると保証したからです。国土の独立も尊重すると言いました。にもかかわらずクリミアへの侵攻が始まり、ドネツク・ルガンスクも制圧されました。ロシアのことは絶対に信用してはいけないのです。

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――あなたはよく今回の戦いは「情報の戦争」だと話しています。

 ロシアは情報戦をよく知っています。ロシア人は誤った情報を与えられ、多くの人がそのまま受け止めています。この戦争によってロシアの国益が守られると信じているのです。そして、その国益とはウクライナのことなのです。そのための手段である攻撃が民間人に向けられているのが現状です。

 今、私たちはウクライナのためだけに戦っているのではありません。キエフのためだけでもありません。あなた方日本人のためにも戦っているのだと思っています。日本とも共有する価値観や原理のために戦っているからです。ロシアによる侵略によって次はどの国が攻撃を受けるか分からないと思っています。

 ロシアのメディアには言論の自由がありません。政府が言うことに反論はできません。だからこそ、すべての人が能動的になってウクライナに平和をもたらす努力をしなければなりません。ロシア大使館の前でデモを行ったり、経済制裁をして欲しいのです。ロシアの企業が稼ぐ利益は全て戦争のために使われています。経済制裁は時に痛みを伴いますが着実に効果をもたらすと考えています。ロシアとの経済関係を止めることで我々を支援して欲しいです。

 Слава Україні!(ウクライナに栄光あれ!)

(写真・Press office of Vitalii Klitschko)