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2016年、朝ドラに初出演

 AKB48を卒業した翌日より舞台『AZUMI幕末編』の稽古が始まり、公演の幕開けとともに個人としての活動をスタートさせる。翌2016年には『とと姉ちゃん』でNHKの朝ドラに初出演し、これを境に俳優としてのオファーが急増した。

 初舞台は主演で、2018年には『恋のしずく』で映画初主演も果たしたが、いまなお脇役を演じることも多い。なかには映画『デスノート Light up the NEW world』(2016年)のように短い出番ながら強い印象を与えた作品もある。

初主演映画『恋のしずく』

 同年代の女優には土屋太鳳や松岡茉優(両者とも奇しくも川栄と同じ1995年2月生まれ)など主演作やヒロイン役でブレイクする例が目立つなか、川栄は若き実力派バイプレイヤーとして注目された点で特筆される。本人はこれについて、自分の地味なところが武器になっていると分析した。《顔もそうですけどあまり個性がないので、誰の横にいても害はない、みたいな(笑)。派手さはない代わりに、いろんなものになじめるとは思います》というのだ(※2)。

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「結婚しても仕事は続けていきたい」

 ドラマ『家政夫のミタゾノ』(2019年)で新人家政婦を演じた際には、《主婦になりたいという気持ちは強いのですが、共働きの家庭で育ったこともあり、できれば結婚しても仕事は続けていきたい》と語っていた(※3)。俳優の廣瀬智紀と結婚を発表したのはその直後だ。このときすでに妊娠しており、年内には第1子を儲ける。同年に出演したNHKの大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』では神木隆之介演じる落語家の卵の恋人を演じ、終盤に妊婦として登場すると、あの大きなお腹は本物かとSNSなどで話題を呼んだ。

『カムカムエヴリバディ』番組公式サイトより

 結婚・出産後も前言どおり仕事を続け、朝ドラのオーディションでは6度目の挑戦となる『カムカムエヴリバディ』でついにヒロインの座を射止めた。

 先に引用した2019年のインタビューでは、《少しずつ演じられる役の幅を広げながら、大きな役柄を任せてもらえるようになりたいですね。強いて言うなら、もう少し地味なキャラクターを演じてみたいです》と、相反するような役柄を所望していた(※3)。だが、考えてみると、これは『カムカムエヴリバディ』で彼女が演じる大月ひなたのキャラクターにまさに当てはまる。