昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2022/03/27

自由がなくなっちゃうと意味がない

――日本では「降伏」や「妥協」を求める声がテレビなどのコメンテーターからでていました。

3人 それはありえないです。絶対にそうはならない。

国を守るために戦っているウクライナ国民 ©getty

オクサナ 私は旧ソ連時代も知っていますが、その時代は本当に何もないんですよ。情報もないし物もない。留学もできないし、海外がどうなっているのかもわからない。でも、ソ連が崩壊して、みんなが海外に行くこともできるようになった。お金を稼いで家を建てたり、ポーランドに行ってそこで仕事をすることもできる。

 ようやくウクライナ人がウクライナ人として生きることができるようになったんです。ウクライナ人は働くのも好きだし、土いじりや庭いじりも好きです。そんな風に自分なりの生活ができるようになったのに、それが壊れてしまうのが本当に怖い。だからこそ戦うんです。

エレナ クリミア半島がまだウクライナの領土だったときは結構栄えていて、旅行者がたくさん来ていました。ウクライナ人も夏はバケーションで過ごしていた。新しいホテルもいっぱい建っていたし、人気の場所でした。でも、ロシア領になった後は旅行者も来なくなっているし、お金も入らない。新しい建物も建てられない。街がだんだん沈んでいる感じがします。

ナタリヤ 心がなくなっちゃうのが怖いですね。自由がなくなっちゃうと意味がない。

少しでもウクライナの力になれたら

――自分たちは避難できた一方で、国に残った人は戦っている――そういう”もどかしさ”も感じますか?

オクサナ 感じますよ。本当は帰りたい。ちょっと落ち着いたらポーランドまで行って、ポーランドから車で帰りたい。帰れそうになったらすぐ帰ります。だからこそ、いまは日本でそのまま過ごすのはもったいない。アルバイトでもなんでもして、少しでもウクライナの力になれたらと思っています。

ウクライナ軍にも大きな被害が出ている ©getty

ナタリヤ 今、一番の壁は言葉なので、少しでも日本語を勉強できたら良いかなと思っています。その壁がなければ仕事もできるし、少しでもお金があれば向こうにいる人たちの力になれる。それが出来れば、自分としても精神的に少し落ち着けると思います。

エレナ 日本に来られたことはすごく良かったし、無事にビザがおりたことも良かった。自分たちが安全なところに居られるのはすごく嬉しいけど、親戚や友達はまさに今、困っているところです。そう考えると、やっぱり楽しんではいられないです。

その他の写真はこちらよりご覧ください。

この記事の写真(32枚)

+全表示

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー
z