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「女性のトイレ問題は大変だけど…」結婚10年、専業主婦だった3児の母(36)が「とび職人」になるまで

「現場女子」広瀬歩美さんインタビュー

 三児の母である広瀬歩美さん(36)は、3年前から夫の働く「足場」(とび職)で働き始めた「現場女子」。そんな広瀬さんに「足場女子」のリアルを聞いた。

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結婚10年、突然始めた「足場」での仕事

――足場で働くことを決めたきっかけは何でしょうか。

広瀬 結婚してから10年間は、専業主婦として子育てに専念していたのですが、一番下の子が保育園に通い始めて、時間ができたので仕事でも始めようかなって。夫がいたこともあり、足場で働き始めました。

現場女子歴3年の広瀬さん(36) 

 夫から勧められたわけでもなく、なぜか足場の仕事に挑戦しようと思ったんですよね。今まで力仕事はしたことなかったので、これを機にチャレンジしてみたいなって。空手をやっていたので、精神力だけは強いと自負していましたが、特別力持ちなわけではなかったです(笑)。

 最初は戸惑いましたね。いざ道具や作業着を用意しようとお店に行っても、女性用のものが全然なかったので。

最近は腕に筋肉がついてきたと話す広瀬さん

――今日来ている服はメンズ用ですか。

広瀬 そうです。メンズ用の一番小さいサイズを着ています。靴はネットで探して見つけました。ヘルメットや道具も基本的にはメンズサイズなので、慣れるのに時間がかかりました。

 最近では、作業服のお店にレディースコーナーが併設されるようになりましたね。私が始めた2019年より女性用のものが拡充している気がします。

朝、子どもの送迎をした後に現場に入るという広瀬さん

――現場の仕事を始めてからはいかがでしたか。

広瀬 軽い気持ちで現場に行ったら、自分の力が全然通用しないんですよね。男の人が軽々しく持っている板でさえ、重くて持てなくて。作業中は5キロくらいのハーネスをつけなければいけないので、それだけでも大変で。私ってこんなに役に立たないのかって自分の無力さを痛感しました。

 

 普通はそこで挫折するのでしょうけど、逆に火がついちゃって。「女だから無理」って思われるのが嫌で、毎日勉強しながら少しずつできることを増やしていきました。