文春オンライン
「女性のトイレ問題は大変だけど…」結婚10年、専業主婦だった3児の母(36)が「とび職人」になるまで

「女性のトイレ問題は大変だけど…」結婚10年、専業主婦だった3児の母(36)が「とび職人」になるまで

「現場女子」広瀬歩美さんインタビュー

note

「かあちゃんが頑張っているの見てるから大丈夫だよ」

広瀬 着替え問題も大変です。男性だと外でパッと着替えられるんですけど、女性だと難しいじゃないですか。そういう時は、車の座席にタオルを引いて、汚れないようにそのまま帰ります。元々女性がほとんどいない職場だったので、いろいろと不便な所はありますが、少しずつ改善していますね。

トラックにも乗る広瀬さん

――SNSでも最近「#現場女子」をよく見ます。

広瀬 私も時間があるときは、足場で働く女の子をSNSで見ているんですけど、最近増えていますね。みなさん仕事に貪欲というか、女の子が少ない職場だからこそ、ガッツがあります。

ADVERTISEMENT

「一番好きなのは2月。少し寒いくらいの日がちょうどいいんです」と話す広瀬さん

 この仕事を始めてから、女性だからって選択肢を狭めずに挑戦することが大切だと気づきました。「この仕事は男性の仕事」と決めつけてしまうと、可能性が広がっていかないと思うので。

デコトラと広瀬さん

――最後にこれからの目標を教えてください。

広瀬 2メートルの8コマ(鉄パイプ)を足場の高いところでも連結できるようになりたいです。男性でも難しい作業ですが、最終的な目標はそれですね。

キャンプにはまっている広瀬さんご夫婦

 息子も応援してくれているんですよ。私が足場で働いていることをかっこいいと思ってくれていて。仕事でいき詰まって悩んでいた時に、「かあちゃんが頑張っているの見てるから大丈夫だよ」って言ってきたときには泣いちゃいました。息子も私が汗だくで帰ってきている姿を見ているので、何か伝わっている部分があるんだなって。私が挑戦することで息子たちが何か感じてくれたら嬉しいですね。

写真=釜谷洋史/文藝春秋

「女性のトイレ問題は大変だけど…」結婚10年、専業主婦だった3児の母(36)が「とび職人」になるまで

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー