きょう12月14日は、女優の高畑充希の誕生日である。1991(平成3)年、大阪府生まれの26歳。先週末には、堺雅人と夫婦役で出演する映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』(山崎貴監督)が公開されたばかりだ。
デビューは中学在学中の2005年、山口百恵トリビュート・ミュージカル『プレイバックpart2~屋上の天使』オーディションで主役の座を射とめたときだった。その後、所属するホリプロの若手女優が代々務めてきたミュージカル『ピーターパン』の主演に抜擢され、当初2年の予定が、15歳から20歳までじつに6年間演じることになった。この間、ドラマ『3年B組金八先生』第8シリーズ(07~08年、TBS)や『Q10(キュート)』(10年、日本テレビ)などにも出演している。
一般に広く知られるようになったのは、NHKの連続テレビ小説『ごちそうさん』(13~14年)で、ヒロインの夫の妹を演じたときだろう。当初、内気で寡黙だった妹が、しだいに心を開き、ついにはアナウンサーにまでなるという変貌ぶりを見事に演じてみせた。朝ドラではこのあと、『とと姉ちゃん』(16年)でヒロインを務めることになる。
今年も、楳図かずおのマンガをフランス人振付家・演出家のフィリップ・ドゥクフレが舞台化した『わたしは真悟』でヒロインの小学生・真鈴に扮したのに続き、ギリシャ悲劇『エレクトラ』(鵜山仁演出)では、大ベテランの白石加代子を母親役に堂々と主人公エレクトラを演じた。映画でもアニメ『ひるね姫~知らないワタシの物語~』(神山健治監督)で声優を務めるなど、話題作にあいついで出演。このほか、NTTドコモのCMでブルゾンちえみのモノマネをしていたのも印象深い。ドラマも含め、来年もすでに出演作が目白押しだ。
ミュージカルをはじめ舞台には、幼少期より演劇好きの両親に連れられて親しんできた。『レ・ミゼラブル』は何十回も観ており、小学生のときには全部の役の歌を覚え、よく母親の前で、声色も使い分けて披露していたという。そんな高畑も、初舞台を迎える時点では基礎がまったくなく、声も小さかったため、稽古場でよく叱られていたらしい。それでも「実際の劇場に入った瞬間に、会場の奥行きが体感できて、突然声が出るようになったんですよ」と後年語っている(『週刊文春』2017年1月26日号)。劇場の広さを見て、臆するのではなく、むしろポテンシャルを呼び起こされたときに、すでにその後の活躍は約束されていたのかもしれない。どんな役にもなりきれ、さらに高い歌唱力から、歌手としても活動する彼女は、これからどのような境地を拓いていくのだろうか。