石原 妊娠30週の時の定期検診で、子宮頸管(編集部注:子宮から腔につながる筒状の部分。一般的な子宮頸管の長さは35~40mm)が20mmしかないことがわかって、そのまま入院することになりました。赤ちゃんの重みでどんどん短くなり、このまま放置すると赤ちゃんが出てきてしまうリスクもあったので。
1人2人3人と取り出され、最後に胎盤の処置をしていた時に…
――絶対安静で入院生活を送ることになったんですね。
石原 トイレに行くのに部屋を歩いているだけで怒られました。寝ているときは仰向けでなくてはいけないんですが、それがかなりきつくて。でも数週間安静にしていたことで子宮頸管の長さも伸び、34週で計画出産をすることになりました。
――出産は帝王切開だったんですよね。
石原 そうです。三つ子だと自然出産はできないみたいで、帝王切開をしました。
――全身麻酔だったのでしょうか。
石原 いえ、部分麻酔だったので意識がある中での出産でした。さすがに三つ子の出産なので、周りには15人くらい先生や看護師さんがいて、心臓ばくばくでした。無事に1人2人3人と先生が取り出してくれて、みんな健康体で生まれてきたので、ホッとしていました。でも、胎盤の処置をしていた時に先生が、「石原さんごめんなさい! もう1人いる……」って。
当初は何も考えられなかった
その時は、頭の上に付いてくれた麻酔科の先生と話し込んでいたので、状況が把握できなくて。「4人目です!」と言われてやっと理解しました。ただでさえいろんなお医者さんと看護師さんで賑わってた手術室が、サプライズベビーのおかげで倍の人数に。足りないものもあるわけで、看護師さんは叫びながら走っていました。
夫と私の両親は外で待っていたんですが、手術室の声がダダ漏れだったみたいで、夫は看護師の「もう1人いたって!」って声で「もしかして?」と思ったみたいです。
無事に4人目も先生が取り出して、手術は終わりました。手術室から出た時に両親から「ねえもう1人いたんだって? どうするよ」って言われて。当初は双子の予定だったのにその倍の四つ子なので、何も考えられなかったですね。
でも4人とも元気でどこも異常がなく、保育器には入ったけど自分で呼吸できていたので、それが何より嬉しかったです。本当に奇跡だなと思いました。
写真=山元茂樹/文藝春秋
その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。