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「この不在期間は長すぎて不自然」3ヶ月間も姿を消していた駐日中国大使のナゾ…執務再開は“難題だらけ”の現実

2022/04/02

genre : ニュース, 国際

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 駐日中国大使館では先述の通り、一転して「春節休暇や、北京冬季五輪や全人代などへの出席のための一時帰国で、3月末には戻る」と説明するようになったが、中国報道を長年専門にしてきた記者の中には「仮にそうだとしても、この不在期間は長すぎて不自然」と疑念を露わにするベテランも多くいた。

「臨時代理大使」が対面公務を全て代行

 一方、大使の任国不在をいぶかしくみた日本メディアを安心させるかのように、「国交正常化50周年を記念し、中日関係の新しいビジョンを切り開く」と題した孔氏の署名文章が3月7日、中央広播電視総台(CMG=チャイナメディアグループ)傘下の中国国際テレビ(CGTN)を通じて発表され、3月8日には駐日中国大使館ホームページでも紹介された。

駐日中国大使館HPに3月8日掲載された孔氏の署名文章「国交正常化50周年を記念し、中日関係の新しいビジョンを切り開く

 初報時にも触れたが、駐日中国大使館のホームページには「大使館メッセージ」の欄が設けられており、ここで孔氏や大使館報道官らの、日々の行事出席をはじめ、メディア対応などの動静が随時紹介されている。

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 同欄によると、孔氏は昨2021年12月29日、大使館領僑処=領事部(東京都品川区)の新オフィスビル開所式に出席。領事部職員との懇談の様子などが、同31日午後4時半ごろ、同欄に写真入りで掲載された。

 しかし年初以降は、日中友好団体の機関紙に新年の祝辞を発表したのに続き、国交正常化50周年関連の九州の友好大会(1月25日実施、26日掲載)や、四川和歌山友好省県締結式(1月26日実施、27日掲載)にビデオメッセージを送り、春節(旧正月)休暇にあたっての「新春のごあいさつ」(1月31日掲載)を動画等で公表しているものの、対面行事への出席はなかった。

3月末にいたってもメディア対応などで「臨時代理大使」の任にあたる楊宇公使(駐日中国大使館HPより)

 代わりに公使の楊宇氏が「臨時代理大使」の肩書で1月12日、中国国際航空公司日本地区本部などを訪問したのを皮切りに、以後の対面公務をすべて代行していた。

 孔氏は1月6日に出国したため、ツイッターも12月26日の「第15回日中省エネルギー・環境総合フォーラム」出席のツイートでストップ。2月に入って以降、動静が確認できない中で、上記の署名文章公表で火消しをはかったともみられていた。