スキーと温泉で人気を博したリゾートマンションが今、社会問題となっている。なぜ売却が進まないのか。住居の維持に力を入れる管理組合の取り組みを紹介しながら、問題の根深さを朝日新聞記者の松浦新氏が解説する。(出典:文藝春秋オピニオン 2018年の論点100)

バブル崩壊後、マンション住民が高齢者に変化 

 新潟県湯沢町は1985年に上越新幹線が上野に乗り入れ、関越自動車道も全線開通し、年間1000万人を集める観光地になった。首都圏から気楽に行けて、スキーと温泉が楽しめる。バブル景気に乗って、リゾートマンションは93年までに58棟、計約1万5000戸も造られた。不動産情報会社の東京カンテイによると、全国のリゾートマンションは約8万戸なので、2割近い。しかし、スキーブームは去り、供給過剰で価格は暴落した。

スキーブームに沸いた越後湯沢 ©杉山拓也/文藝春秋

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 バブルから約30年。マンションの利用者も大きく変わった。町によると、2016年4月時点の町民8000人余りのうち、1000人余りがマンションに住民票を置いていた。町民の12.4%を占める。バブル景気のリゾートブームで買った人たちが定年を迎えるなどして移り住み、地元の人も、高齢で冬の雪下ろしが負担などの理由で移住しているという。マンションの高齢化率は43%超と、町全体より8ポイントも高い。