「ホント?ウソだったら私帰りますよ!」となぜか食ってかかる弁護人
そして被告人質問です。まずは弁護人から。
弁護人「このお弁当屋はよく行ってたんですか?」
被告人「2~3回です」
弁護人「店員さんはあなたが何回も両替目当てで嫌がらせに来てたって言ってるみたいなんだけど、どうなの?」
被告人「それは私ではありません」
度重なる両替に関しては人違いだというのが被告人の言い分です。これ以上誰も追及しなかったので、しつこくお弁当屋さんで両替してた人は誰か分からず。
弁護人「なんでガラス割ったんですか?」
被告人「店員さんと口論になったので」
弁護人「店員と揉めたと?」
被告人「はい。声掛けたのに無視されて……。気持ちが昂って、気持ちの整理がつかなくて……」
弁護人「それはお酒が入ってたから?」
被告人「そうですね」
弁護人「その日は何杯くらい飲んでたの?」
被告人「……1~2杯です」
弁護人「ホント? ウソだったら私帰りますよ!」
被告人「ホントです」
何故か被告人の返答を疑ってかかる弁護人。被告人の味方なのに「ウソだったら私帰りますよ!」なんて言い方をするなんて、ちょっと見ない光景です。
弁護人「ガラス割った後、弁償の話をしてから立ち去ったと?」
被告人「はい」
裁判官「当日は支払うって話をしたんですか?」
被告人「はい」
裁判官「でも後日、払わなかったと?」
被告人「電話で、金銭の交渉でしたら結構です、と言われて」
弁護人「検察官の冒頭陳述だと、弁償を拒んだって事になってるけど拒んだの?」
被告人「拒んでません」
弁護人「私に依頼しましたよね」
結果的に示談には至らなかったんだけど、弁償や示談に関しては被告人が直接交渉するのも良くないって事で、弁護人が仲介して行っていたようです。
弁護人「事件から半年以上経ってますけど、反省した?」
被告人「はい」
弁護人「ウソだね!」
またもや被告人の発言を否定する弁護人。
弁護人「だって、今日私の事務所来たの記憶してます?」
被告人「してます」
弁護人「その時何て言った? 『これは罰金払って終わりの話だ』って言ったよね! そんなの反省してないよね!」
この初公判の直前に弁護士事務所で行った打ち合わせでの被告人の失言を暴露し始めたのです。
突如明かされていく弁護人の過去
弁護人「言っておくけど、お酒で失敗した人はまたここに戻ってくる! 7割の確率で!」
確かに、泥酔して事件を起こして何度も被告人になっているというパターンはよく傍聴します。とはいえ、一応弁護する役なんだし、そんなにキツく当たらなくても……。
すると興奮していた弁護人は落ち着いて自分の過去を語り始めたのです。