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「その点については私が…」勢いよく挙手する弁護人の口から出た言葉

検察官「事件の2週間後に被害届が出て、割ったガラスの15万円って請求されました?」

被告人「全く請求されてません」
検察官「支払いを拒んだ訳じゃないの?」
被告人「こっちにも非があるという話にもなりまして、弁償はもういいですってことになりまして……」
検察官「それはいいとして、起訴されてから今日まで2ヵ月経ってますよね。その間に弁償とか謝罪文とかは?」
被告人「えっと……それは……」

 と被告人が返答に困っていると、弁護人が勢い良く挙手して

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弁護人「その点については私が……」

 と追加で質問させてくれと立ち上がりました。という訳で、検察官からの質問のはずが弁護人からの追加質問です。

弁護人「急にあなたと連絡取れなくなったりしてね。こっちは交渉してたのに。示談出来なかったのはあなたのせいですよね?」
被告人「はい」

 お弁当屋さんと間に入って示談を進めてたのに音信不通になった事にも怒っている様子。

弁護人「話に聞いたけど、大体さ、検察庁での態度も悪過ぎるよ」

 と取り調べでも被告人のダメっぷりが爆発してたようで、弁護人は呆れながらも怒ってる感じ。

明かされた驚愕の事実「なんとこの2人、店長と客という立場なんですね」

 まだまだ怒りは鎮まらないようで

弁護人「大体、金髪にしてロン毛でチャラチャラしてさ~! 今日もスーツで来いって言ったよね?」

 と、外見についての文句です。人を見た目で判断しないのが裁判じゃないのかと言いたくもなりますが、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとは言ったもので、法廷に似合わぬファッションに怒り心頭。そして衝撃の告白です。

弁護人「あなたの店に行った事あるから、これもタダでやったけどさぁ……」

 なんとこの2人、店長と客という立場なんですね。弁護人としては店長の為にタダで刑事弁護を引き受けてる訳です。いや、もしかしたら店で美味しい思いが出来るかも知れないという下心があっての弁護かも知れませんが、とにかく無償で弁護をやってあげてるのに色々と酷過ぎるだろうという怒りが根っこにあったんですね。

ガールズバーの店長と客という立場だった被告人と弁護士。無償で引き受けたという弁護士の怒りが法廷で響く… ©iStock.com

 個人的には弁護人はお酒やめた訳じゃないの? とちょっとだけ気になりましたが、そこを質問する人はいないので。ここまで怒っても弁護人の怒りはまだ収まりません。

弁護人「事務所来た時もおかしいよ! 勝手にティッシュ使ったりさー!」

 断りもなくティッシュ使った事に文句。そして

弁護人「鏡ばっかり見て!」

 と身だしなみ整え過ぎの行動にも文句です。打ち合わせそっちのけで鏡を見ていたんでしょうかね、「罰金払って終わりの話だ」なんて言いながら。そして最後に

弁護人「生き方、行動、価値観は変えられるから! あなたはいっつも鏡見てさ……。今反省してよ、今!」

 と大激怒して追加の質問終了です。この質問は弁償に関しての追加だったはずなんですけどね。まさか無断でティッシュを使った事を叱責されるとは。

 この後、検察官も裁判官もちょっとだけ質問をして被告人質問終了。