弁護人「昔……私もガラス割りました……。酔ってちょっと足出したって事で逮捕されましたよ。起訴はされなかったけど……番号で呼ばれました。6番でした……。それで、お酒やめましたよ!」
どうやら弁護人は被告人と似た様な事件を起こしていた人物なんですね。その事件以降は酒の失敗も無く、こうしてちゃんと生活してるって言いたいようです。多分ここまでの辛く厳しい態度は、私のように反省して3割の人間になれという叱咤激励なんでしょう。
弁護人「どう? 事務所で言ったか言ってないか」
被告人「……言いました……」
弁護人「だからそれ聞いて悲しかったねぇ……あぁ、反省してないんだって……」
罰金払えばいいんでしょ、みたいな被告人のヘラヘラした態度を見て打ち合わせの時からイライラしてたんですね。その怒りがこの被告人質問で全てぶつけられたって訳です。そして最後に
弁護人「またガラス割るんだよ!……終わります」
と捨てゼリフを吐いて弁護人の質問は終了。弁護側なのに再犯するだろうなんて締めは珍しい。敢えて被告人に対して厳しい態度を取って被告人をしょぼーんとさせるパターンの弁護人もたまにいるんだけど、これはほとんど弁護になってないですよねぇ。
「偽名を名乗ったのは何故ですか?」「態度が気に入らなくて…」
続いて検察官からの質問です。
検察官「店内の防犯カメラの映像見ると、犯行の45分前……6時15分に入店してるんだけど何の為に入ったの?」
被告人「お弁当を買いに」
検察官「お弁当は買いました?」
被告人「いや、その日は買わずです。店員の態度が気に入らずで、何度言ってもシカトされて」
検察官「それで大声を出したんですか?」
被告人「なんでシカトするんですか、と。口論になったので声も大きく……」
検察官「クルクルと回ってたのは何故ですか?」
被告人「イライラを抑える為です」
検察官「勢いつけてガラス割る為じゃないの?」
被告人「違います」
検察官「コバヤシって偽名を名乗ったのは何故ですか?」
被告人「態度が気に入らなくて……」
と冒頭陳述よりも詳しい事件の状況が語られました。