昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

《予想外すぎる超展開》「これは弁護になっているのだろうか?」裁判ウォッチャーが見た「ヤバい弁護士」

2022/04/09

 裁判を傍聴していると「これは弁護になっているのだろうか?」と思うこともたまにありまして。

 それは、ある日の裁判のことでした。

これまで約2万件の刑事裁判を傍聴してきた裁判ウォッチャー阿曽山大噴火氏。彼が見た「ヤバい弁護士」とは… ©iStock.com

 傍聴席に座って開廷を待っていると、胸元に弁護士バッジを付けたスーツ姿の男性が法廷に入って来て、書記官に「被告人どこ座るの? ここ? そっち? どこ?」とかなり高圧的な態度。

 被告人が座る椅子は決まってるのに、そんな事を確認する時点で刑事裁判慣れしてない弁護士さんって事だし、なんか苛立ってるような雰囲気もすぐに感じ取った訳ですが……。

 その弁護士の後ろに立っていた、長い金髪をなびかせて絵に描いたロック歌手みたいな格好をした男性が被告人席に着席して、裁判スタートです。

 罪名 建造物損壊

 被告人 ガールズバーの店長(24)

 起訴されたのは、被告人が東京都内のお弁当屋さんの店先で、持っていたバッグでガラス(被害金額15万290円)を叩き割ったという内容。

 罪状認否で被告人は「間違いありません」と罪を認めていました。

1ヵ月前にも被告人は店とトラブルに?「両替を断ると…」

 検察官の冒頭陳述によると、被告人は大学中退後にアルバイトを転々として、犯行当時は現場近くのガールズバーで店長をしていたそうです。前科は無いので、今回が初めての正式裁判になります。

 そして犯行当日。被告人はガールズバーの仕事を終えると、他のガールズバーへ行き店長と朝まで飲酒。閉店時間になり店を出ると、被告人は1人で犯行現場であるお弁当屋さんを訪れました。

©iStock.com

 被告人は店員に声を掛けるも、無視をされて立腹。お店の外に出て、持っていたバッグを窓ガラスに叩きつけて破損したとのこと。店員が被告人に名前や連絡先を訊くと、被告人はウソの名前と連絡先を伝えてその場を後にしたようです。

 取り調べに対して、お弁当屋さんの店員は「被告人は犯行の1ヵ月前に両替をしに店に来たことがあった。両替を断ると1万円札で100円の商品を買うというのを何回もしてきて覚えていた」と述べているそうです。事件の前から被告人と被害店舗は何かトラブルがあったようですね。

 検察官の冒頭陳述ではどうやって被告人が逮捕されたのか詳細は述べられませんでしたが、被告人のガールズバーが被害店舗の近所にあるという話なので、偽名を名乗ってもすぐに居場所がバレたのかも知れません。