2021年(1月~12月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。裁判部門の第3位は、こちら!(初公開日 2021年9月9日)。
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今年の8月24日、福岡地裁の101号法廷で行われた判決公判で被告人である特定危険指定暴力団・工藤会のトップ2人に不規則発言があったそうです。
私はその裁判を傍聴してないので報じられた内容が事実であればという前提になりますが、死刑判決を言い渡された工藤会トップの野村悟被告は「公正な判断をお願いしたんだけど、全部推認、推認。あんた、生涯このこと後悔するよ」と足立勉裁判長に対して大きな声で怒鳴り、無期懲役を言い渡されたナンバー2の田上不美夫被告は「酷いね、あんた、足立さん」と述べたらしいです。
伝える新聞社ごとに多少の違いがあって(だからこそ裁判傍聴はボイスレコーダーの録音を認めるべきなのに!)正確な情報がどれなのか判別がつかなかったり、どんな雰囲気でどれくらいの声量だったのかも分からないので被告人2人がどの様な意図で発言をしたのかは分かりません。
が、判決を言った後に被告人が喋る機会はないので不規則発言になるのは間違いありません。どんな狙いがあろうと手続き上喋っちゃダメなんです。下手すりゃ法廷から追い出される場合もあります。この裁判でも被告人の不規則発言の後、足立裁判長が2度に渡って退廷命令を出したそうですし。
裁判官が自分の主張を全く認めてくれない判決文を朗読していたら何かを言いたくなるのは共感できますが、判決で不規則発言する被告人って意外と見ないんですよね。個人的には裁判傍聴を1999年から続けているので今まで2万件くらい刑事裁判を見てきていますが、パッと思い浮かびません。たまたま私が不規則発言の裁判を避けて傍聴している可能性はありますが……。とにかく、この裁判は珍しいパターンと言えるのではないでしょうか。
と言う訳で、被告人が不規則発言をして退廷命令を出された数少ない珍しい実例を4つ紹介します。