教員の不適切指導がきっかけで3年生から不登校になっていた、大阪府堺市立小学校の児童Aさんが、学校復帰できないまま、2022年3月に卒業した。
その際、卒業アルバムにAさんの名前が掲載されなかったことがわかった。すでにアルバムは配布済みだという。Aさんの家族は、名前の不掲載を希望していなかった。母親は、年度末まで交渉したが、学校側は落ち度を認めなかった。
学校側は最後まで不登校の理由を説明せず
Aさんは3年生のときの担任による不適切な授業中の対応で傷つき、10月以降、3年半にわたり不登校になった。
卒業アルバムのクラス集合写真の中にAさんの写真はない。写真の不掲載は希望したものだが、名前も載っていない。同じクラスには、別の不登校の児童がいる。写真は載っていないが、名前は載っている。明らかに、Aさんとの差があり、不登校だけが理由ではないことがわかる。
「いまだにアルバムが送られてきていませんが、同級生の保護者からのメールで、息子の名前が載っていないことを知りました。息子は写真を載せない選択をしました。しかし、名前まで載らないとは思いませんでした。アルバムに名前がないのがわざとじゃないとしても、悲しいです」
アルバムに名前を掲載しなかったばかりではない。学校側は、「Aさんが不登校になった理由を説明する」と言っていたが、いまだ実現していない。そのためもあり、Aさんは卒業文集の作文では不登校の理由を書いた。
文集のタイトルは「思い出」。Aさんの許可を得て、一部抜粋する。
僕は三年生後半から学校へ通えなくなりました。理由は先生によるいじめとその後もなかった事にしようと必死になる学校の対応です。学校へ行けば熱が出て、吐く毎日が続き居場所はなくなり通えなくなりました。
嘘をついてはいけないと教える学校がどうして平気で嘘をつくのですか。
どうして加害者側を守るのですか。
どうして僕の辛かった全てをなかったことにするのですか。
どうして学校がなかったことにして、同級生に学校来なかったら皆で殺しに行くぞと言われなきゃならないでしょうか。
どうして全部知っているのに、何も動かないのですか。同級生や保護者の方に、真実を公表してくださいとお願いした僕の手紙に対し、向き合ってくれないのですか。
(中略)
大人が保身の為に生じる理不尽によって、子どもの学校生活や心身が犠牲になるのは絶対にあってはならない事だけど、この学校での三年間で学びました。
僕はこんな人間には、絶対なりません。辛かったです