音楽担当がサントラ盤に『歌を入れたい』
――進駐軍のパーティで「On the Sunny Side of the Street」を熱唱する場面(第30話)が大きな話題を呼びましたね。
「NHKさんがそこだけ編集して、あのシーンだけネットであげてくださったり、すごく再生回数が伸びてビックリしました。その延長線上で、『On the Sunny Side of the Street』を配信することになったんです。まずは、『カムカムエヴリバディ』のサントラを作ることが決まって、音楽担当の金子隆博さんから『歌を入れたい』とお話をいただきました。サントラ盤って、普通は歌が入らないんですよ(笑)。でも、じゃあ、ちゃんとやりましょうってことで、歌を録音したんです。通常、こういう曲って我々のようなアーティストサイドが働きかけたり、レーベル側が動くものです。ところが、常に視聴者の皆さんやスタッフの方々から、こちらにボールが投げられてきたような感じがしていました。カムカムはベースボールも一つのテーマ。来た球を僕たちが投げ返すといった形で、ここまで来たんです」
――上白石萌音さんも、定一さんが歌うシーンで号泣していました。
「定一は、戦勝国が自分の街に乗り込んできている思いと、ジャズを愛している思い、複雑な思いが絡み合った中で、酔っ払ってステージにバーンと飛び出るわけです。僕はあのシーン、全部生歌で歌わせていただいたんですね。テストも含めて、7回か8回。そのほうが上白石さんもリアルにエネルギーを感じて、お芝居できるんじゃないかと思って歌いました。上白石さんはそれはもう、流石と言うしかなかった演技ですね」
――上白石さんは、現場ではどんな様子でしたか?
「ヒロインって大変なんですよ。セリフも多くて、確認することもたくさんある。でも、ヘビーなスケジュールの中で、みんなと気さくにおしゃべりしたり、子役の子の面倒を見たり、遊び相手もして、体力的にも精神的にも強い人だと思いました。僕の歌唱シーンのときは、終わった後に『世良さん、すごかったです!』って褒めてくれましたね(笑)」
4月6日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」及び4月7日(木)発売の「週刊文春」では、ヒロイン3人の知られざる秘話や、吉右衛門や吉之丞ら赤螺家の男がモテる理由、緊急開催した“ダメンズ選手権”、錠一郎“無職32年”の徹底検証、藤本有紀氏が手掛けた脚本の謎など、「カムカム保存版」と題し、グラビアと合わせて11ページの大特集を掲載。出演者11人をはじめ、監督、スタッフら計20人が実名告白している。
文藝春秋が提供する有料記事は「Yahoo!ニュース」「週刊文春デジタル」「LINE NEWS」でお読みいただけます。
※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください。
その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。