不肖・宮嶋、最後の戦場取材へ――。

 数々のスクープ写真で知られる報道カメラマンの宮嶋茂樹さん(60)。これまでにイラク、北朝鮮、アフガニスタン、コソボなど海外取材を数多く経験し、あまたのスクープ写真を世に問うてきた。そんな不肖・宮嶋がロシアの軍事侵攻に揺れるウクライナへ。混乱する現地で見えてきた「戦争の真実」とは?

【全27枚】キーウから北西約60キロに位置するボロディアンカの写真を全部見る

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ボロディアンカ。爆撃を受けた集合住宅 撮影・宮嶋茂樹

ロシア軍による激しい破壊の様子がわかる写真の数々

 4月5日、宮嶋さんはキーウ近郊のブチャ取材のためのプレスツアーに参加。そして、翌6日にはキーウから北西約60キロのボロディアンカへ向かった。ボロディアンカでは、ロシア軍がブチャで行ったよりもひどい残虐行為を実施した可能性があると指摘されている。街にあった複数の集合住宅が全壊するなど、ロシア軍による激しい破壊の様子がわかる。

ボロディアンカの集合住宅 撮影・宮嶋茂樹
いまも足元から次々遺体が発見されている 撮影・宮嶋茂樹

 これが無差別爆撃の跡である。見てみい! この破壊力を。たった一発で団地、ビルがまるごと消し飛び、火の手に包まれたのである。この地までロシア地上軍は侵攻してきたが、その後撤収。自軍がいないことをいいことにまるで嫌がらせのように町に爆弾の雨をふらせたのである。

これのどこが軍事施設なのか? パイロットは出撃前に目標に対する説明を受けたはずである。民間人の生活するこの場所に爆弾を降らせることになんの躊躇もなかったのか? 撮影・宮嶋茂樹
ロシア軍の放置されたトラックの横には落とされたものとみられる爆弾の殻が 撮影・宮嶋茂樹
かつて子どもたちの歓声が聞こえた団地の公園。子どもの姿が消えて久しい 撮影・宮嶋茂樹

 これは戦略も理論も関係ないただの快楽殺人や。

 この地にいたロシア軍が蛮行を働いていたのも間違いないであろうが、民間人の大量虐殺や拷問等が行われていた証拠があるのは現在のところ前回紹介したブチャである。もっともボロディアンカで行われた「民間人大量虐殺」も「無差別爆撃」も国際条約違反の重大な戦争犯罪に間違いないが。

この下のシェルターにまだ15人以上が避難したまま生き埋めになっている 撮影・宮嶋茂樹

 せやのに遠いわが祖国ではいまだにウクライナが捏造したやの、陰謀説がまかり通っているっちゅう話やないか。せやから現場に来いというとるんじゃ。