――そして最近は、TikTokをきっかけに「あたりまえ体操」がインドネシアで再びバズっているそうですね。
多田 そもそも最初にTikTokをやろうと言ったのは、相方なんです。僕らは2018年にコンビ結成25周年を迎えたんですが、その時に「25周年やから、25個の企画をやろう」と相方が提案してきて。当時はちょうどTikTokの人気が出始めた頃だったのもあって、試しにやってみたんです。そしたら“水が合ってた”のか、一気にフォロワー数が増えていったんですよね。
でもフォロワー数が30万人くらいになったところで、少し頭打ちになったんですよ。そしたらまた相方が「少し海外向けにシフトチェンジせえへん? 例えば、あたりまえ体操のインドネシア語バージョンとかはTikTokにのせてもいいんちゃう?」みたいに提案してきて。それで何年か越しにインドネシア語バージョンをTikTokにアップしたら、すごい反響がありましたね。
インドネシアのフォロワーは「伝説が帰ってきた」と…
多田 その時は毎日動画をアップしていたんですけど、インドネシアの方を中心に海外のフォロワーがどんどん増えていって。「100万人を超えられるかな」と冗談で言っていたら、本当に100万人いきました。
善し インドネシアに住んでいるフォロワーのコメントを日本語に訳してみたら、「伝説が帰ってきた」「またこいつらがやってきた」と書かれてましたね(笑)。
日本人には「まだやってんのかい」とかちょっと冷たいコメントも書かれるんですけど、インドネシアの方は僕らを立ててくれる。僕らとしても「待っててくれたんかい! ありがとう!」みたいな感じでした。
多田 インドネシアは親日国というのにプラスして、歌とか踊りが好きなんですよね。僕らは9回くらいインドネシアに行っているんですが、バラエティ番組とかを見ていても、最後にみんなで歌って踊るパターンが多い。だから僕らのリズムネタもうまいこと“ハマった”感じがあります。
――お二人がTikTokをやるうえで、こだわりとかはあるのでしょうか?
多田 TikTokをやっているほかの皆さんは「既存の曲に合わせて踊る」という動画が多いんですが、僕らはオリジナル音源にこだわっています。僕らみたいな“おっさん芸人”が流行っている曲に合わせて踊っても、誰も興味ないじゃないですか。そういうのはかわいいアイドルとかがやるからいいのであって。
僕らには、あたりまえ体操以外にもこれまで蓄積してきたネタがあるので、それをTikTokで真似されるように相方が音源やリズムを作り直しているんです。そしたら、うまいことバズりました。