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2022/04/19

genre : ライフ, 歴史, 社会

世のため、人のために生きる人が多い社会に

 近時、犬は猫と同じように家の中で、家族の一員として愛されるようになったいっぽうで、家の中で生活をすることで、地域内では同様に犬を飼っている人たちとの間だけでしか交流がなくなっている。

 江戸時代のように商家が軒を連ねて、互いが寄り添って生き、地域内では、みんなで犬をかわいがる。こうしたコミュニティが失われて久しい。家はマンションなどの鉄筋コンクリート造の建物の中に納まり、隣の人のことすらよく知らないのがあたりまえになった。エレベーターで他の住民と会ってもぞんざいな挨拶をするだけ。あるいはまったく挨拶すら交わさないケースも多くなった。マンション内で暮らすお年寄りを見守るのはリビングなどに据えられたカメラだ。

 ウクライナでの悲惨な戦争状況などを知ると、皆免罪符でも得るかのように同情したり、鶴を折ったりするけれど、実はごくごく近い身の回りの社会はどんどん肌のぬくもりを感じえない冷たいものになっているのではないだろうか。

 せめて一生に一度でいいから自分がおかげ犬になっておかげ参りをしてみるのもよいだろう。世のため、人のために生きる人が多い社会になることを願ってやまない。

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