文春オンライン

「今彼とは付き合い続けるけど、“それでも結婚していい”って人を探してる」…SNS婚したカップルの“特殊すぎる事情”

2022/05/06
note

Twitterを通じて垣間見える相手の性格

 それから半年ほどはお互いのツイートをただ見ているだけで、たまに面白い投稿にリプを送り合うぐらいの関係だったという。

「妻のツイートは趣味も性格も全開で、キャラを作って本性を隠しているというタイプではなかった。誰かに見せるためというより、自分を解放するためのものだったんでしょうね。ただ、変わってるけどキレキレのことも言うし、どういう人かが全部出ていたんです。半年以上見ていると悪い人ではなさそうだし、日常生活では理性を保っているんだろうなっていうのも垣間見えました」

 では、同じくTwitterを通じて奥様のほうは北さんをどのように見ていたのか。

ADVERTISEMENT

「改まってちゃんと聞いたことはありませんが、その頃の私はよく『モテない』と投稿していたんです。妻は最初の頃、『とはいえ弁護士だし、そんなことはないだろう』って思ってたそうですが、ずっとツイートを見ているうちに、『あ、マジもんの非モテだ』と分かったみたいです(笑)」

TwitterからLINEに移行、個別に連絡を取り始め…

 そんな関係にちょっとした転機が訪れる。北さんは一時、Twitterをやめようと思った時期があり、その際にTwitter上でつながった面白そうな人たちをLINEに移行した。その中に奥様の名前も入れていたのだ。

「そこから個別のやり取りが始まったという感じです。趣味は直接かぶっていたわけではなかったんですが、2人ともオタク気質ではあったので会話のとっかかりで共通するところがあったんです。ちなみに私は漫画やネット上のネタ、妻は2ちゃん沼にズッポリの“ハードねらー”だったのでもう何でもこいという感じです」

 奥様がオタク趣味のイベントで上京したタイミングでリアルでも会うようになり、1年ほど後には自然に付き合うように。その間も基本的に遠距離恋愛だったが、1日に何十もツイートする奥様のツイ廃ぶりもあってコミュニケーションに困ることはなかったという。

「もともと私たちは電話をほとんどしない人間で、その分、SNSが役に立ったとは思います。2人ともかなり文章優位なタイプというか、考えていることを文章にすることが苦じゃなかったこともあったと思います。SNSの使い方は人それぞれですが、私たちには合っていたんでしょうね」