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斎藤佑樹(33)が語る、“敵を作らない”理由 「怒って得になることがあるのかな、と考えてしまうんです」

斎藤佑樹(33)が語る、“敵を作らない”理由 「怒って得になることがあるのかな、と考えてしまうんです」

斎藤佑樹さんインタビュー#2

2022/04/24
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「斎藤佑樹を演じていたのか?」と聞かれるけれど…

斎藤 同じように「斎藤佑樹を演じていたのか?」という質問をされることもありますが、自分でもよく分かりません(笑)。ただあの時、無理していたのかと問われれば決してそうじゃないけど、世間のイメージを壊したくない思いはあったかも。

 確かに、人並みに感情の起伏はあるし、怒ったり、悲しんだりするけど、それを出さなかった、出せていなかったということはあるかもしれません。抑制していたのかな…。でも、そうすることで周りが本当に助けてくれた。だから注目されることにストレスを感じることはあまりなかったですね。

(撮影:深野未季/文藝春秋)

 それに、怒って得になることがあるのかな、と考えてしまうんです。もちろん、我慢してしまったために誤解を生むこともありますけど、感情を爆発させたくなったらやっぱり一呼吸置きますね。怒って得があったら怒りますけど、ないことの方が多いじゃないですか。でも、それは“斎藤佑樹”だからじゃないですね。

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 今、改めて考えれば高校時代、大学時代の自分に感謝です。引退後もワクワクするようなお話をいただけているのは、高校・大学時代に頑張ったことに加え、プロ生活はなかなか活躍できなかったけど、ファームにいる僕をメディアが取り上げてくれ、僕のストーリーを世間に伝えてくれたからだと。

――野球以外の人生を考えたことはありますか。

斎藤 ないですね。野球選手になっていなくても、野球に携わる職業を選んでいたと思います。ただ、もし早稲田実業に行かなかったら、僕の人生はどうなっていたのかな、と考えることはあります。

 僕は群馬県太田市出身なんですけど、普通なら地元の太田高校に進学するんです。でも僕は早稲田実業を選んだ。早実を選んだからこそ甲子園で優勝も出来たし、早稲田大学にも進学できた。そしてファイターズへの入団も叶った。そう考えると僕の人生のターニングポイントは高校進学時だったのかな、と思いますね。

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