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斎藤佑樹(33)が語る、“敵を作らない”理由 「怒って得になることがあるのかな、と考えてしまうんです」

斎藤佑樹さんインタビュー#2

2022/04/24

 2021年秋に、11年間の現役生活に終止符を打った、元日本ハム投手の斎藤佑樹さん(33)。汗をマウンドで拭う姿が「ハンカチ王子」と呼ばれ、一世を風靡した2006年夏の甲子園から、16年が経った。「株式会社斎藤佑樹」の設立や、全国の高校球児の取材、CM・バラエティー番組への出演など、多方面で活動を始めている斎藤さんに今後の展望について話を聞いた。(全3回の2回目。#1から読む)

撮影:深野未希/文藝春秋

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世間のイメージを壊したくない思いはあったかも

――プロ生活で登板89回、15勝26敗と期待されるほど結果が残せなかったのは、高校、大学時代に肩を酷使しすぎたから、という声も聞きます。

斎藤 それはどうなんですかねえ…。今考えると自分でも本当によく投げたなとは思いますが、ただ、投球数の多さがケガの誘因になるというエビデンスはないんですよ。一つ後悔することがあるなら、ケガをする前から体のケアにきちんと気を使うべきだったし、ケガ予防の知識をもっと持つべきだったと思いますね。体に対する繊細な意識が入団当初からあれば、こんなにケガで苦しむこともなかったかな、って。

 でも、悪いことばかりじゃなかった。痛みのない箇所を探してフォームを変えようとした時やリハビリの際には、チームのコーチやトレーナーに本当にお世話になったんです。彼らとトコトン話したことで野球以外の知識も増え、今の仕事に活かせるヒントをたくさんもらいましたからね。今の僕の財産になっています。

2006年夏の甲子園、早実のユニフォームに身を包む斎藤佑樹さん

――高校時代に「ハンカチ王子」として人気を博し、大学時代は「佑ちゃん」フィーバーを湧き起こした。常に注目される存在でありながら、謙虚で爽やかな態度を崩さなかった。あの姿は“地”ですか?