大学進学せずにプロ野球を選んでいれば、という声に思うこと

 大学に進学せずにプロ野球の道を選べばもっと活躍できたのでは、という声も聞かれました。でも当時、すぐにプロでやる自信はなかったし、大学に進学したことに後悔はありません。むしろ大切な仲間たちに大勢恵まれ、そして勉強と野球を両立できたことが、今の自分の財産にもなっていますからね。

2019年の斎藤佑樹さん(撮影:杉山拓也/文藝春秋)

――他にターニングポイントを上げるとしたら?

斎藤 ファイターズへの入団ですかね。ドラフト時にロッテ、ヤクルト、ソフトバンクにも1位指名していただいたのですが、他の球団に入団していたらどうなっていたんだろうと考えることはありますね。でも、現役生活を終えた今、ファイターズでプロ生活を送れたことが本当に良かったと思います。

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 そういえば僕の卒論テーマは「スポーツの地方興行と観客動員の地域の中での経済効果」だったんです。日本ハムが本拠地を東京から札幌に移したことによって、地域に与えた経済効果に興味があったのでテーマに選んだんですけど、その球団に入団するなんてつくづく縁を感じますよね。

 もう一つのターニングポイントは今かな。もしファイターズのスタッフとして残る決断をしたら、あるいはマネジメント会社に所属したとしたら、この後の僕の人生はどうなんだろうなと考えることはあります。

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