1カ月未満で勝手に調査を打ち切りに
そのことを今年9月に前校長に確認すると、『完全に私のミスです。申し訳ございません』と謝られましたが、ミスで済まされることではありません。また、イジメの調査に関する報告書は今年の3月9日付けで締め切られていたことがわかりました。3月9日以降も、前校長や教頭が私たちの家に来て、話を聞いていろいろとメモを取っていましたが、イジメの加害者もわかっていないのにたった1カ月未満で勝手に調査を終わらせていたのです。正直、裏切られたような気持ちです。
昨年9月からは何度も『死ね』『キモい』などと書かれた手紙が下駄箱に入れられていたことがわかっています。昨年11月にアンケートを提出した時点で学校が調査や適切な対応を取ってくれていたら、娘の命は救えたかもしれません。アンケートを改ざんしたのが担任なのか教頭なのか、それとも前校長なのか、誰なのかもわかりません。これでは隠蔽していたとしか思えません」(母親)
入手した6月の「いじめに関する保護者アンケート」用紙1枚目には準奈さんの名前が書かれ、勉強や進路、部活について相談したい項目に印がされていた。2枚目の保護者用には母親が「イジメ行為を受けている?」という質問に対して「あてはまらない」に印をして、合わせて提出。
11月分のアンケート用紙の保護者用を確認すると、確かにイジメについて、「あてはまる」に印がされていた。学校で実施された準奈さん自身が書いたアンケート用紙にも「死ね、キモイ」と書かれた手紙のことが書かれていた。※アンケート用紙は無記名で提出後、名前は学校側が記入)。
亡くなって7カ月後、ようやく保護者説明会を開催
準奈さんが亡くなって7カ月後の9月17日、遺族が再三希望しても学校側が拒み続けていた保護者説明会が、ようやく行われた。体育館で19時から始まった説明会には300名を超える保護者らが参加。校長、教頭、学年主任、教育委員会が出席したが、前校長と担任は欠席だった。
遅きに失した説明会では、「この体育館に渦巻く不信感に気づいていますか」「何を守りたいんですか」などの保護者からの怒号が飛び交い、涙する保護者もいた。その保護者説明会で、準奈さんの下駄箱に「死ね」「キモい」などと書かれた手紙が何度も入れられていたことについて、担任、学年主任、教頭、校長らは当時から把握していたことを明かし、遺族には準奈さんが亡くなったあとに報告したことを認めた。校長の説明は以下の通り。
「(手紙が入れられたのは)9月30日から10月15日までの間に3、4回という話になったときに、(準奈さんは)そこですぐに担任に伝えていなくて、11月12日に初めて(担任に)話したということがあって、『もう1回あったら(担任に)相談しようと思っていた』という話でした。(すぐに保護者に報告しなかったことは)学校としての対応の不備でございますので、ご遺族からの指摘がありまして謝罪をしております」