保護者らの怒りは収まらず
アンケートの改ざん疑惑については、校長に代わって教育委員会の職員がこう説明した。
「調査の結果を学校の方で取りまとめたものが、教育委員会の方に上がってきていました。学校の方でアンケートのコピーを取るのが違っていたということです。その結果として、11月のアンケートは(実際はイジメに『あてはまる』に〇印をして提出していたが)『あてはまらない』に〇がついているものとして教育委員会にあがってきました。ところが、(教育委員会が)ご遺族に確認したところ、これは『あてはまる』の方につけたものだったことがわかったという次第でございます。本当に申し訳ございませんでした」
人命に関わる重要な情報が事後報告だったことに、保護者らの怒りは収まらず、説明会は予定時間を30分延長して1時間30分ほど行われた。学校側は準奈さんのイジメに対する再調査アンケートの実施を約束したが、次々と明らかになる学校側の怠慢に、子供の命を預ける保護者たちには危機感が漂っていた。
準奈さんへの一連の対応について酒田市教育委員会および学校に問い合わせると、併せて以下のように回答した。
「今後、第三者による『いじめ問題対応委員会』を開催する予定で、ご家族と調整している段階です」
どれだけ娘を絶望させてしまったか…
愛娘を喪って次々と明らかになる学校側の不手際に父親は後悔を口にした。
「いつも娘にはこう言い聞かせてきました。『パパはイジメられたことがあるから、その辛さが分かるんだ。だからせっちゃんは誰かをイジメちゃダメだよ。だけど、もし、せっちゃんがイジメられたらパパは全力で守るから、助けるから』。そうやって約束していたのに、助けてやれなかった。どれだけ娘を絶望させてしまったか……」
学校、教育委員会が直ちにすべきなのは、準奈さんのイジメのアンケート調査の結果を包み隠さず遺族に公表することだろう。#3では今年3月まで準奈さんの通う中学校の校長を務めた人物を直撃した全文を公開する。
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10月1日(金)22時からの「文春オンラインTV」では本件について担当記者が詳しく解説する。
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