「組織犯罪対策4課」という名称を聞いたことがあるだろうか?
警視庁で暴力団犯罪捜査専門のプロ集団として知られる組織であり、内部では通称「組対4課(そたいよんか)」もしくはさらに略して「4課」と呼ばれてきた。
その組対4課の名称がこの4月からなくなり、「暴力団対策課」として生まれ変わった。前身の刑事部捜査4課の時代からすると、この名称は半世紀以上にわたり現場で捜査にあたってきた刑事たちのプライドとされていた。なかには「4課ブランド」との言葉で表現する刑事もいたほどだ。「4」という数字が持つ意味についていま、捜査員たちの間には様々な思いがめぐっている。
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今年4月から「組対4課」→「暴力団対策課」へ
警視庁はこの4月、組織犯罪対策部の組織を大幅に再編した。捜査員の間で話題になっているのが組対3課と4課を統合して「暴力団対策課」を新設したことだ。
これまでの役割分担としては、組対4課は暴力団間の大規模な対立抗争事件や、殺人や傷害事件などの捜査を担当。さらには、暴力団が関与した不動産取引や金融関係などの複雑な経済事件などまで幅広く手がけてきた。
一方の組対3課は暴力団対策法に基づく構成員の認定や、繁華街の飲食店などからみかじめ料と称する用心棒代や、あいさつ料などを暴力団構成員らが徴収していた場合に中止命令を出すなど、暴力団の活動の規制や排除が主だった。
2003年、刑事部捜査4課が「組対4課」に再編
そもそも「4課」という名称は、警視庁内に1958年に創設された「刑事部捜査4課」に由来する。今回と同じように、当時、刑事部内の組織再編で暴力団犯罪を専門に捜査する部署として設置されたのがはじまりだった。
その後、暴力団だけでなく「犯罪を組織的に引き起こす集団」を専門に捜査する部署の新設が求められ、2003年、警視庁内に「組織犯罪対策部」が新設された。この際に刑事部捜査4課などが組対3課、4課に再編された。
ちなみに組対部内のほかの捜査担当課として、外国人犯罪グループの捜査を担当する組対1課、2課、薬物・銃器犯罪の捜査担当の組対5課、部内調整担当の組対総務課なども設置されていた。