現場刑事にとって「4」という数字が持つ意味は…?
昭和から平成の時代にかけて、刑事部捜査4課として暴力団犯罪捜査にあたってきた刑事たちの間では、「4」という数字には特別な意味があり、「自分たちのプライドだ」との意見が大半をしめていた。2003年に組対部が新設される際には、現場の刑事たちから「『捜査4課』という名称が残せないなら、せめて『4課』の名前は残してほしい」との強い要望が出たという。それに応える形で組対4課として「4」の数字が残された経緯があった。
しかし、今回の組織再編でついに「4」課の名称は消えることになった。組対4課のOBはこう心情を明かす。
「所轄から警視庁本部に異動になった際に『4課ブランド』というプライドを叩きこまれた。長年ヤクザを相手に捜査を続けてきたが、4課という名称がなくなるのはさみしい限りだ」
神奈川県警でも同様の組織再編があり、2005年に捜査4課が暴力団対策課へと名称が変わった。神奈川県警で捜査4課と暴力団対策課の双方に籍を置き捜査にあたってきたOBはこう振り返る。
ヤクザが関係していれば何でもやるのが「4課」
「『4課』という言葉の響きに憧れて、所轄の刑事課から本部の4課で捜査をしたいと希望を持つ刑事は多かった。自分も4課という名前に誇りを持っていた。それだけに、当時は(神奈川県警から)4課の名前が『なぜなくなるのだ』と寂しい気持ちだった」
前述のように組対4課は暴力団構成員やその周辺者らが引き起こす事件の捜査を担当しており、これまで数々の大型事件を摘発してきた。
「4課は警察の組織の中では特別な部署。捜査1課は殺人や強盗、放火などの強行犯。捜査2課は汚職や選挙違反、詐欺、横領などの知能犯。捜査3課は泥棒専門。このような担当分けは刑法の罪名で分けている。そんな中で4課だけが“罪名”ではなく“捜査対象”で管轄が決まる。他とは全く違う。
4課はヤクザが殺しをやれば捕まえる。泥棒や詐欺をやっても逮捕する。不動産取引、金融関係など経済事案でもヤクザが関与していれば捜査する。グレーゾーンの人物がいてバックにヤクザが見え隠れしているとなれば当然、捜査対象となる。要するにヤクザが関係していれば何でも(事件として)やるということだ」(前出・警視庁組対4課OB)