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あおり運転の原因となった裁判はいまだ係争中

 A子さんが裁判所に訴えた結果、水戸地裁は夫側に対してA子さんへ子どもを引き渡すよう判決を下した。しかし、夫側は「子どもが帰りたがっていない」と引き渡しに応じず、地裁は強制執行(※債権者の申立てに基づいて相手方に対する請求権を裁判所が強制的に行う事)に乗り出す。結果として、引き渡しに抵抗した長子は夫のもとに、末子はA子さんのもとで養育されることになった。

 夫側は即時に抗告。そして二審では一転して高裁が夫側の主張を認め、A子さんに末子を引き渡すよう判決を下した。結局、学校の授業中に強制執行が行われ、末子は夫の実家に連れていかれたという。

離婚訴訟のための調査に夫が気づき、あとを付けた…?

 現在、A子さんと夫は婚姻費用や養育費をめぐっても係争中だ。

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 A子さんとその弁護士があおり運転にあった日は、この係争に関わる書類の真偽を確かめる調査のためA子さんと関係者の自宅を回っていたのだという。「その途中で夫にが気づき、あとを付けられたのではないか」とA子さんの弁護士は語る。

あおり運転が起こった現場 ©文藝春秋

 しかし、A子さんも弁護士もあおり運転をされるような原因は思い当たらないという。取材班はA子さんの夫とその母親に直接話を聞きに行った。すると母親はこう語った。

「あの日(あおり運転があった日)は突然スーツを着た男が来て怖かったという人がいた。この辺りはきちっとした姿の人はいないので、ああいった格好の人が来ると不安になる人がいる。こっちだって危ない思いをした」

 しかし、これ以上の質問には答えず、代理人である弁護士を通すよう主張した。後日、取材班が代理人に取材を申し込むも、「お答えすることはありません」という回答だった。

 双方の主張は真っ向から対立しており、係争内容の真偽は裁判で明らかにされるはずだ。だがいかなる理由があっても、一歩間違えれば大事故につながるような危険なあおり運転が許されるはずはない。

 A子さんは即座に警察に通報。現在は弁護士とともに対応を協議しているという。

【夫と義母によるA子さんへの「危険なあおり運転」動画はこちら】