Q 進む円安…このままさらに円安になるとどんなことが起こるの?
3月以降、円安の流れが加速しています。4月13日には1ドル=126円台まで下落、約20年ぶりの安値になりました。ウクライナ侵攻に伴う制裁で暴落したロシアのルーブルに対してすら値を下げ続けている状況に、輸入の多い日本ではさらに物価高が進むのではと気になっています。
ただ、2010年代初頭の1ドルが80円前後の時代には、連日メディアで「円高は困る、大変だ」と話題だった記憶もあるので、今ひとつ危機感が湧かない自分がいるのも事実です。教科書的な質問で恐縮ですが、円安や円高が極端に進むとどんなことが起こるのでしょうか?(30代・男性・会社員)
A 円安が良いか円高が良いか、置かれている立場で変わります。
円高と円安は、置かれている立場によって、プラスにもマイナスにもなります。円高が進めば、輸入産業にとっては、これまでより安い価格で原材料を輸入できますから、利幅が大きくなります。一方、輸出産業にとっては海外での販売価格が高くなりますから、製品の売れ行きは落ちてしまいます。
円安なら、その逆です。
円高あるいは円安は、いくらなら円高で、いくらなら円安かという絶対的な基準はありません。前日より下がれば円安、上がれば円高、という使い方をします。
私が学生時代は1ドル=360円でした。いまから見れば、とても円安水準ですが、その頃から見れば、いまは大変な円高だということになってしまいます。
今後も円安が進めば、輸入品価格が高騰します。とりわけ石油や天然ガスの価格が上昇し、電気料金やガス料金は、猛烈に値上がりしてしまうでしょう。
では、いくらなら妥当な水準なのか。確かな基準があるわけではありませんが、1ドル=105円のとき、「ちょうどいい水準だ」と言っている人が多くいました。このあたりの水準が、高くもなく、安くもなく、輸出産業も輸入産業も妥当と受け止めているように思えます。
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