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国内の酷評に「わからないひとは鈍感なんですよ」

「初めて長編映画の監督ができたのは、2018年公開の『blank13』。本人をはじめ、高橋一生にリリー・フランキーや松岡茉優、そして佐藤二朗など人気俳優が多数出演して、結果的に第20回上海国際映画祭・アジア新人賞部門の最優秀新人監督賞や、第3回シドニー・インディー映画祭の最優秀脚本賞 などを獲ったのですが、国内の評価はいまひとつパッとしなかった。『役者のチカラで出来上がった作品だ』とか、『途中部分が緩慢すぎる』といった批評意見が多く、それは本人の耳にも入った。

初めて長編映画の監督を務めた「blank13」(公式Instagramより)

 でも彼は面白いひとで、『わからないひとは鈍感なんですよ。海外の映画祭は優秀だよね、良さがわかるんだから』って飄々としてる(笑)。海外と国内の映画祭コンペに20か所以上出品しまくったんですが、そのなかでゆうばり国際ファンタスティック映画祭は国内なのに作品賞を受賞した。『夕張はわかってるね。今度夕張を撮影場所に使う? それともふるさと納税する?』って真顔で言っていましたね」

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 ©共同通信

芸人修行としてR-1に挑戦する変わり者

 俳優としても脂がのり、余裕たっぷりとなったのだろう。その頃、ほかのテレビ関係者は斎藤がこんなことを呟くのを聞いたという。

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「『監督の眼も持ってるから、結構いろんな役やるのラクかも』ってサラっと言ってました。カッコイイでしょ。ちょうどその頃、日本テレビの特番『誰も知らない明石家さんま』のなかのミニドラマで、斎藤さんがさんまさんの役をやってたんですよ。最初はえーっと思ったけど、これがまたイケてたんですよ。そのあと、芸人・くっきーさんとテレ東のしかけで、覆面芸人としてNSCに入って、芸人修行してR-1の1回戦に挑戦したりもしてた。相当な変わり者だけど自信のある人だとは思います」

上海国際映画祭での様子(「blank12」公式Instagramより)

 俳優業ではテレビドラマにはほぼ毎シーズン出演、映画も年に数本出演作が公開と、順調に多くの仕事をこなす。

「それもこれも、その仕事量と経験の“貯金”で映画監督をしたいからですよ。来年公開予定の監督作品『スイート・マイホーム』は、小説現代長編新人賞を受賞した神津凛子氏の小説が原作で、配給会社はかなり大規模な公開を模索しています。話題作となるのは間違いないです」(前出・映画関係者)

「シン・ウルトラマン」の公開を控えたいま、斎藤工本人はコロナ禍も相俟って、自宅での手料理にも勤しんでいるという。

「シン・ウルトラマン」に出演する斎藤工(「シン・ウルトラマン」公式Twitterより)

「もともと料理は得意だそうです。『料理は、アートでもあるし映画でもある』とのことで、素材を大切にしている、と。最近は、発酵食に凝って塩麹を手作りしていると言っていました。それを使って調理すると体調がいいそうです」(同前)

 続々と公開が続く変幻自在な斎藤工の「作品」が楽しみだ。