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「今までは壁ドンばっかりやってきた(笑)」

 実は「シン・ウルトラマン」は昨夏の公開に向けて、ドラマ部分の撮影は2019年後半にクランクアップしていたという。その後CGや特撮などを製作していたというわけだ。

特撮映画「シン・ウルトラマン」記者会見 ©文藝春秋

 2019年12月、円谷プロダクションのイベント「TSUBURAYA CONVENTION 2019」に樋口監督と登壇したときに、斎藤は観客に向けてこんな話をしていたという。

「父が円谷プロでバイトしていたことがあるんです。『ウルトラマンタロウ』の頃、手伝いで爆破のスイッチングとかやってたそうで、そのおかげでウチにはウルトラマンフィギュアがあったんです。でもまさか自分がウルトラマンに変身するとは思わなかった。だって、今までは壁ドンとかばっかりやってきたから(笑)」

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©文藝春秋

 “イケメン人気俳優”ならではのトークだ。だが実際はこう笑って話せるまでの道は長かった。

「中学時代はサッカーばかりの日々で、15歳で映画の世界に繋がるならと芸能事務所に所属。都内の私立高校に進学してからは、『メンズノンノ』などでモデルをしていました。卒業後は映画人養成の名門・映画美学校に願書を送ったものの、父親から『映画は机上のものじゃない、現場に出ろ』と諭されたそうで、俳優養成所にも通った。その精悍な顔立ちからコマーシャルやファッションショーへの出演はあったけれど、俳優デビューは2001年の映画『時の香り~リメンバー・ミー~』という韓国映画のリメイク版でした。

 でもまだまだ役者業だけでは食べられなくて、20代はずっと新聞配達や引っ越し作業のバイトをしていたそう。『まだきちんと辞めるって言ってないから、いまでもバイト先に籍はあるんだ』って、持ちネタのように言ってました」(同前)

上戸彩との“日中不倫”で存在感を発揮

 そんな斎藤が大きく飛躍したのは、2014年のドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(フジテレビ)だ。それまで清純派のイメージが強かった上戸彩が不倫する相手の教師役で存在感を示したのだ。夫が不在の日中に不倫する「昼顔」が流行語となり、斎藤は俳優業15年目にして「第39回エランドール賞新人賞」を獲得した。

「昼顔」(「昼顔」公式Instagramより)
2015年第39回エランドール賞授賞式 ©時事通信

「受賞はほんとうに嬉しそうでした。しかしかねてから本人が『映画監督になりたい』と発言していた通り、30代になって映画の監督業もしてきました。だがショートフィルムやミュージックビデオなどしか発表はできずにいた」

 そう話すのは、とある映画関係者だ。