犯人が語った、盗難の動機
犯人は24歳の介護福祉士の男で、警察の調べに対し「盗むためにキャンプ場に行った」「売ったら金になりそうだと思った」と話し、他にも余罪があると見られている。ちなみにRINさんのクーラーボックスは売られずに犯人の手元に残されたままだった。
昨今のアウトドアブームの盛り上がりとともに、大きな問題となっているキャンプ場における盗難事件では、残念ながらたいていの被害者が“泣き寝入り”せざるを得ないのが現状だ。
キャンプ場は不特定多数の人が出入りできる場所でありながら、監視カメラなども街中に比べれば少なく、また仮に盗んだものを犯人が運んでいるところを目撃した人がいたとしても、第三者の目からは自分のものを運んでいるようにしか見えない。つまり、捜査の手がかりが少ないのだ。
さらにいえば被害者の自宅とキャンプ場の距離が離れていることが多いため、現場検証などの捜査に被害者が協力することも容易ではない。
その点で、キャンプ場との往復を何度も繰り返したRINさん一家の協力は、捜査の進展に大きく寄与したであろうことは想像に難くない。そして何よりも捜査の手がかりとなるフリマサイトのスクリーンショットなどの「証拠」をしっかり確保したことが大きい。
「キャンプ場泥棒」への対策
最後にRINさんは「キャンプ場泥棒」への対策をこう語る。
「まず私たちが反省したのは、クーラーボックスをテントの中にしまい忘れてしまったこと。これまでも盗まれて困るものは、温泉に入るなどでサイトを離れるときにはその都度しまっていたのですが、どこかで『まさか盗る人はいないだろう』と思ってました。でもこういうことがあると、やっぱりその考えは改めないといけない。
それから万が一、盗られたときのことを考えて、大事なものは写真に撮っておくと今回みたいに後で役に立つこともあるかもしれません。ウチも過去のBBQやキャンプの写真でクーラーが写っているものを片端から拡大して、出品されたものと照合しましたから」
また犯人の「出品物」を見ていて気付いたことがあるという。